◎国民主権と民主主義-両面価値的存在位相
国民主権は歴史的には君主主権の対抗イデオロギーとして成立した。他方、宗教戦争の悲惨を反芻する中で形成された国民主権は、宗教という共約不可能な価値を巡る不倶戴天の敵とも平和的共存できる、そんな社会秩序を希求するイデオロギーでもあった。つまり、国民主権は、君主主権を批判するオフェンスの側面と、「無秩序よりも最悪の秩序が望ましい」とする、法的安定性の浸透を期す . . . 本文を読む
■国民主権の意味と根拠
これまでの考察で、(甲)国民主権と抵触しない外国人地方選挙権なるものが成立する可能性は否定できないこと、そして、(乙)「歴史的-論理的」に君主主権の対抗イデオロギーとして登場した国民主権が、しかし、現在でも社会統合のイデオロギー、すなわち、<政治的神話>としてこれまた「歴史的-論理的」に存在し得ることを説明できたのではないかと思います。而して、本節では、いよいよ、(丙)違 . . . 本文を読む
■国民主権の構造と射程
外国人地方選挙権付与制度の合憲違憲を分かつ分水嶺は「国民主権の原理と抵触しない外国人地方選挙権」が成立するかどうかです。而して、これを確定する鍵は「国民」「国民主権」「国家」の意味である。あたり前の言葉として使われてきたこれらのタームを<脱構築>することによって、それらを<非自然化>する、すなわち、それらを組み込んだ言説が必ずしも自明なものでも普遍的なものでもないという経 . . . 本文を読む
(6)容認説を肯定したと見られている1995年判決の該当箇所は
「傍論:obiter dictum」であり、先例として他の裁判所の判断を拘束する
「判決理由:ratio decidendi」ではない
1995年判決の傍論について百地論稿はこう述べています(★)。
「【外国人地方選挙権】賛成派は、最高裁判決は永住外国人への地方参政権付与を認めたなどと喧伝しているが、これは誤りである。
「永住 . . . 本文を読む
◎百地論稿が挙げる外国人選挙権違憲理由の検討
「ディズニーランドの比喩」でコメントした如く、(0)「納税実績は外国人選挙権の理由にはならない」ことには議論の余地はありません。畢竟、「納税を理由に外国人に参政権を認めている国などどこにも存在しない」(ibid., p.99)という百地さんの指摘はどこまでもどこまでも限りなく正しい。
而して、逆に言えば、この「納税⇔選挙権」のリンク容認論は、例え . . . 本文を読む
民主党政権がその法案提出を言及しているからか、最近、外国人地方選挙権を俎上に載せた言説をよく目にします。而して、1995年に下された定住外国人地方選挙権最高裁判決の傍論「我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものに、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法 . . . 本文を読む
民主党政権が推し進めるらしい「政治主導」なるものに関して、菅直人副総理が、現行憲法には「三権分立という言葉は一言も」書かれていないと述べたと報道されています。従来の行政のあり方、原理は間違っていた。今までは、政治家は国会で法案や予算を審議してください、行政は私たちに任せてくださいというのが官僚の姿だった。大臣や総理大臣は政治家から出るが、その周りは全部、官僚。明治憲法下では、天皇が . . . 本文を読む
2009年11月1日、古街道研究家の宮田太郎先生率いる「歴史古街道団」主催の「さきもりまつり2009-万葉時代・防人の道ウォーキング」にブログ仲間と参加しました。京王聖蹟桜ケ丘駅から(麻生区黒川地区と隣接する)「多摩よこやまの道」の「防人見返りの峠」まで、約6キロの歴史ウォーキング。このイベントを通して、古代・中世の物流や社会について多くのことを学ばせていただきました。有意義、かつ、愉快な半 . . . 本文を読む
●中島みゆきさんらに紫綬=体操塚原光男さんも-秋の褒章
政府は2日付で、2009年秋の褒章受章者678人(うち女性120人)と24団体を発表した。栄典制度の改正があった03年の秋の褒章以来最少。学術や芸術、スポーツ分野で活躍した人を対象とする紫綬褒章は、シンガー・ソングライターの中島みゆき(本名美雪)さん(57)や宮崎駿監督作品への楽曲提供で知られる作曲家の久石譲(本名藤澤守)さん(58)や、メ . . . 本文を読む