グローバル化の昂進の中で日本はどこに漂着しようとしているのか。本稿はこの些か大仰なテーマについて描いたデッサンです。而して、その理路は、グローバル化の時代というものの措定、そして、グローバル化が歴史的に特殊なある社会に影響を及ぼす様相の検討の順に進みます。尚、本稿の基盤である私の社会思想に関しては下記拙稿を併せて参照いただければ嬉しいです。
・読まずにすませたい保守派のための<マルクス>要点 . . . 本文を読む
ドキュメンタリー映画The Coveにアカデミー賞が授与されて90日程、日本でもこの初夏には上映されるそうです。もちろん、現行憲法上、日本では表現の自由も営業の自由も保障されており、反日映画であろうが、人種差別主義的な映画であろうが法に抵触しない限りそれを上映することは自由でしょう。それに、日本の素晴らしい漁村の景色も紹介されていて、その面では懐かしささえこの映画には感じないではないですから。 . . . 本文を読む
民主党政権は、政権奪取の高揚感からか、今般の政権交代を「明治維新」になぞらえ、而して、鳩山政権に至らぬ所が散見するとしても(というか、目を皿のようにして捜しても「至らぬ所」しか見当たらないのではありますが)、再度、自民党に政権を渡すなどという「時計の針を戻すようなことをしてはならない」と当の鳩山氏ご自身が述べておられる。蓋し、本稿は民主党政権誕生の歴史的性格を論じた随想です。 ■明治維新と建 . . . 本文を読む
社民党の連立離脱によってはっきりしたことは、国の安全保障・外交政策という基本政策で一致できない諸政党が「連立政権」を形成することは不可能ということでしょう。而して、これは大なり小なり「二大政党制」についても言えるのではないか。そう私は考えています。敷衍します。蓋し、社会政策や文教政策、そして、産業政策等々の領域で政策の違いはあり得るとしても(「選挙互助会」としてスタートした日本の民主党は例外として . . . 本文を読む
ためになるけれど肩の凝らない読書。これ本好きの至福の一つではないかと思います。本書、岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社・2009年12月)はそんな至福の数時間を与えてくれました。本稿は書評と本書の舞台と思しき日野市を探訪した報告です。
本書の舞台は、「東京の西部、関東平野が終わって多摩の丘陵地帯が始まる」(本書p.7)エリアにある . . . 本文を読む
First, the freedom to dress the way one wants is not what’s at stake here. Our debate is not about a type of attire or the Islamic head scarf that covers the hair and forehead. The latter is obv . . . 本文を読む
実質的にイスラーム女性を狙い撃ちする差別法案がフランスで成立しようとしています。人権・自由・平等を根拠に人の生命を奪い、信教の自由を制限し、排外主義を押し通してきたこの<精神分裂病国家>のこととすれば特に不思議なことではない。けれど、英米流の健全な保守主義を信奉する者は、モスリム女性がその伝統と慣習に従う権利を踏みにじるフランスの暴挙を傍観していてはならないのではないか。そう私は考えています。本稿 . . . 本文を読む