SaltyDog

               by kaji

ヨーロッパ旅行記(19)

2006-05-09 | ヨーロッパ旅行記
 僕の放浪の旅もそろそろ大詰めを迎える。ギリシャへ入った時に出会ったおじいさん、ニックを再び訪れると、ニックはちゃんと覚えていてくれた。カメラを差し出したらあの時提示された金額よりもかなり低い金額を提示してきた。僕はためらったが、もう旅も終わりだし、まあそれでいいかなって気もしていたが、丁度のどが渇いていたので、「それじゃ、その金額にプラス、ビール1本でどうか」と言うとニックは笑いながら応じてくれた。ニックとビールで乾杯をし、名残惜しかったが別れた。

 本当はまだまだ旅を続けたかったのだけれど、お金も底をつき、やむを得ず帰国を決意する。ギリシャで偶然に知り合った日本人のバッグパッカーにあと2~3日で帰国する話をしたら、パキスタン航空の帰国便は週に1便しかなく、しかもそれは明日ではないかとの情報を得る。パキスタン航空に問い合わせるとその通りであった。事態は急変し、明日ギリシャを離れることとなった。
 実家の両親にまず電話をしようと思った。公衆電話をさがし、「もう、お金がないから明日の飛行機で帰るつもりだ」と伝えようとしたが、公衆電話の使い方がいまいちよくわからず、すぐに切れてしまう。 帰国した後にわかったことだが、日本ではまず受話器を上げ、10円玉を入れて番号をダイヤルし、相手につながり、10円が切れる前に次の10円を入れるが、ギリシャの場合は、まず、受話器を上げ、番号をダイヤルし、相手が出たら10円(もちろん円ではないが)を入れるしくみだったようだ。 僕が伝えようとしたメッセージのうち、「もう金がない」ってところでどうやら電話が切れたらしく、両親にはかなり心配をかけてしまったようだ。

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