海賊とよばれた男
私の年がこれ程感動させたのか、テッシュ片手に何度も涙しながら読んだ。出光興産創業者出光佐三氏は、大国民の誇りを持って戦後の日本国民を支え続けた。想像を超える偉業に熱く琴線が震えた。門司に出光美術館と併設して資料館があるようなので、見学に行ってみたい衝動にかられている。
私は女なので、佐三氏の最初の妻に強く心を惹かれた。彼女は良家の娘で嫁いだ。商売が苦しい時代に社員の面倒から会社の事務まで、良い伴侶として夫を支え続けた。結婚12年目の時、妻は離縁状を出した。理由は言わない・聞かない条件で実家に帰った。彼女には子どもが授からなった。尊敬する夫だからこそ、慕い続けたい人だからこそ、決断をした。彼女の死後甥御さんが遺品の整理をしていたら、叔母さんの元夫が出光佐三氏だと解り佐三氏に逝去の連絡をした。彼女は誰にも元夫の名前を口にすることはなかったそうだ。彼女の潔い身の処し方に、明治女の気高さを知った。彼女の心に思いを馳せると涙・涙・涙・・・・・・。
暖簾完成