標記の小論文を掲載する中国四国歴史学地理学協会『年報』第12号が完成して会員に配られました(副題:九州歴史科学研究会2015年12月シンポジウムでの議論を踏まえて、51~58頁、発行:2016年3月31日付)。
この小論文の執筆は、2015年12月19日、九州歴史科学研究会が例会で『「海域」としての東アジア世界―交流・漂流・密貿易をめぐって―』と題するシンポジウムを催し(共催:福岡大学 福岡・東アジア・地域共生研究所)、私を、その二部(近世)の司会者として招待してくださったことをきっかけにします。標記の研究テーマにつき、シンポジウムをとおして感じた課題、得た展望を述べています。
ただし、この小論文には課題点が残りました。一般的に学術雑誌へ《研究動向》を投稿する場合、対象としたテーマに関する研究史を可能な限り網羅したうえで、研究の現状と課題とを的確に指摘することが求められます。しかし、今回投稿した《研究動向》は、400字詰原稿用紙30枚以内という投稿規定のなかで、史実の概説とシンポジウムの紹介とに結構な枚数を費やしてしまいました。よって、標記のテーマを正しく論じるには朝鮮通信使と貿易に関する研究史も網羅の対象としなければならないのに、枚数オーバーとなって理想どおりにできませんでした。
今後、正式な《論文》を発表するまでに改善しておきたいと思います。