東昇先生より標記論文の抜刷を1冊、私へも贈ってくださりました。ありがとうございます。
表題にある由良神社とは、現在の京都府宮津市旧由良村域に遅くとも江戸時代半ばには創建されていた神社であり、戦前には府社へ昇格していました。その昇格をめぐり推薦書で後押ししたのが軍艦由良の艦長歴を有する豊田副武(とよだそえむ、明治18〔1885〕~昭和32年〔1957〕、由良艦長:大正15年〔1926〕11月~昭和2年〔1927〕11月)です。
対してこの論文では、海軍と由良神社ないし由良村との交流の観点でいえば、広島県福山市出身で同じく由良の艦長を務めた谷本馬太郎(たにもとうまたろう、明治19年〔1886〕~昭和17年〔1942〕、由良艦長:同6年〔1931〕12月~同7年〔1932〕11月)が、さらに重要だと提起しています。その論拠となりうる史料として、谷本を含む海軍関係者と由良神社・由良村とのあいだの書簡群をリスト化し提示しました。
個人的な感想としては、導入部分にあたる1「海軍関係者の由良神社への参拝」から2「由良艦長谷本馬太郎」にかけての作文が、たくさんの情報を詰め込みすぎてパッと見でテーマへの接続がわかりにくいと感じます。導入部分を整理しなおすのが望ましいと思いました。