「栄光なき天才たち」第5巻 森田信吾著 集英社・ヤングジャンプコミックス 1989年
昭和の終わりから平成にかけて、週刊ヤングジャンプ誌に連載されていた伝記漫画「栄光なき天才たち」。連載当初は一話完結の読みきり連載だったが、その後数回の連載のシリーズも登場した。オリジナルの単行本の第5巻は、東京五輪のマラソンの2人のヒーロー、金メダリストであるエチオピアの「はだしの英雄」アベベ・ビキラと、銅メ . . . 本文を読む
「長距離ランナーの遺書」 沢木耕太郎著(「敗れざる者たち」所収) 文藝春秋社刊 1976年
スポーツ・ノンフィクションの「古典」とも言うべき、あまりにも有名な著書である。この本に影響されてスポーツ・ライターを志した、という人は多いだろう。いや、僕と同世代以下で、現在スポーツライターという活躍している人は、大なり小なりこの著書から影響を受けた「沢木チルドレン」と言える人たちではないか?むろん、「反 . . . 本文を読む
「走る意味」 金哲彦著 講談社現代新書
久しぶりに更新のこのシリーズ、タイトルは毎年年末に刊行されるミステリー小説のガイドブックをもじったものであるが、今回紹介する本は、本当に「すごい」本である。これまでに読んだマラソン関連の本、特に元ランナーが書いた著作では最も衝撃的な内容だった。
著者の金哲彦氏の名前は、マラソンや駅伝の解説者として、すっかりおなじみとなった。柔らかい話し方での解説ぶりを . . . 本文を読む
「走らざる者たち」平塚晶人著 (「Number ベストセレクションⅡ」所収)
文藝春秋社刊
昨年の1月、日テレ系の報道番組「ザ・サンデー」において、「箱根駅伝歴代ベスト10」なる企画を行なっていたのだが、その半数が途中棄権や体調不良によるブレーキや繰上げスタートだったことを僕はこの欄で批判した。1年間の苦労の全てを徒労に終わらせるようなアクシデントを「名場面」などと名づけるとは一体どういう心算な . . . 本文を読む
「駅伝必勝法~たすきは強気でつなぐ」 大久保初男著 ランナーズ・ブックス
著者である大久保氏の名前は、30年以上前から、箱根駅伝をNHKのラジオ中継で聞いていた駅伝ファンには忘れられないだろう。大東文化大時代には箱根駅伝で山登り区間である5区で4年連続区間賞を獲得し、同校の優勝にも貢献した。実は僕が箱根駅伝という大会の存在と大東文化大という校名を初めて知ったのも、当時のレースの結果を報じるNHK . . . 本文を読む