ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝虫〟と〝林檎〟

2018年10月16日 | 俳句

 今日は最高気温21度、朝から日が差して午前中は洗濯日和と思いきや、午後から段々陰ってきて雲行きが妖しくなりました。ああ、またお天気が崩れるのかしら?すると、ニュースの天気予報でも先週から今週にかけて晴れマークの日が無いと…もちろん東京辺りの天気でしたが。秋の代表的な季語である「天高し」の使える日が何日あったでしょうか?夜もまたぐっと冷え込んで最低気温12度と。本当に炬燵が欲しい。でも、ガマン、ガマン!

 先日の句会の兼題は午後の部が「虫」、夜の部が「林檎」でした。どちらも秋の季語。

  虫なくや我と湯を呑む影法師      前田普羅

  林檎へ手触れさせてもらふ菩薩晴    村越化石

 二句とも私の好きな句です。普羅のは、孤独な感じだけどそれがイヤじゃあない…むしろそれを楽しんでいるような感じがして、虫たちも優しいですね。〈湯を呑む〉と言うのはお茶でしょうか。それとも「湯薬」という意味もありますから、それだとすると、病気の時の句?後句は、目の見えなくなった化石が林檎に触れてその手ざわりに…と言うよりその甘い香りに目を細めているような気がします。〈菩薩晴〉という語が全てを代弁していますね。

 「虫」の句の最高点は、〈留守電に虫の音も入れ里だより〉でした。この句には二つの見方が出て、作者が虫の音の入った留守電を聞いたのか、それとも作者が虫の音を留守電に入れたのかということ。作者の弁は、子の留守電への伝言に虫の音も入れたのだと。そうですね。初めはそうかなとも思えるのですが、下五の〈里だより〉で疑問になるのです。里とは〝ふるさと〟。作者の故郷と考えてもいいし、子から見ての故郷でもいいわけですから、そこが今一つ曖昧なので迷ってしまうんですね。それで、作者の里からとすれば、〈留守電に虫の音も入り里だより〉と。子への場合は〈留守電の子へ虫の音も入れにけり〉として、〈里だより〉を削っても分かるのではと思います。

 「林檎」の句では、〈腹の虫納まりきらず林檎剝く〉でした。これも、なぜ林檎を剝くのか、他の果物では?とか、〈剝く〉でなく「喰ふ」の方がいいのでは…または、お腹がすいているから?などとも出ました。作者は「腹立たしくて我慢ができない」という意味で詠んだんだと。それもナントしたこと!これはわが旦那様の句で、私が腹を立てている様子を詠んだんですって。それだったら〈腹の虫おさめて林檎剝きにけり〉ですよ~。

 写真は、常盤公園に行ったときのコスモス畑。今年はよく咲いていましたね。と言うことは、あれだけ続いてやって来た台風の風が大したこと無かったと言うことになるでしょうか。

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