ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝名月〟から〝十六夜〟へ、今日は〝立待〟

2019年09月15日 | 俳句

 宇部市も今日は30度超えの気温です。折角の3連休なんですが、予定は無し。しかし、明日は「敬老の日」ですよね。

 山口県では、県内の100歳以上の高齢者が1202人(15日時点)で、前年度より45人増の、過去最多を更新すると発表しました。今年度中に100歳を迎える人は605人(同73人増)で、5年連続の増加。宇部市では、100歳以上の高齢者数は176人とか。

 私が、〝おばあちゃん、市長さんから何かお祝いが届いた?〟と聞くと、〝何いよるんね、わたしゃまだ100歳じゃあないけんね~〟と言われてしまいました。〝ああ、そうか。100歳にならんとダメなのね〟〝なってもあんな金杯なんかいらんわ~ね〟〝エエッ、お祝いは金杯なの?でも、新聞の写真などで見ると違うみたいよ〟と、これ先日のおばあちゃんとの会話です。私の周りで貰った人はまだ誰もいませんから…知らないんです。

 主人の母は来年2月の誕生日で満99歳です。だからお祝いは満100歳にならないといけないということなら、再来年ということになります。義母が〝まだ私98歳じゃけんね!〟と、ちょっと気分を害したみたいで…、やっぱり女性はいつまでも歳を多く言われるのはいやなんでしょうね。エエッ、男性でも…ですか? とにかくこの歳になってもとても元気な義母に感謝しています。

 ところで、この「敬老の日」は、昭和26年に「としよりの日」として始まり、41年から9月15日が「敬老の日」として国民の祝日となりました。しかし、平成15年より、現在のように9月の第三月曜日に改定されました。

 そこで、『秋櫻子俳句365日』(梅里書房・平成2年刊) を見てみましたら、やはり敬老の日が制定されるとすぐに秋櫻子先生は句を詠んで発表していますね。さすが珍しいもの、新しいもの好きの先生らしい!では9月15日の頁を転載しましょう。これは娘である、「馬醉木」德田千鶴子主宰が書いておられます。

  好みとて老を敬ふふかし藷   (このみとておいをうやまうふかしいも)

  栗茹でて楽しからずや自祝翁  (くりゆでてたのしからずやじしゅくおう)

  着膨れて敬老の日の俄寒    (きぶくれてけいろうのひのにわかさむ)

 下二句も同時作。敬老の日に、ふかし藷と栗の句では、ちょっと寂しいんじゃない? と、思ったことがある。しかし、この二つは秋櫻子の大好物。甘党が知られて、全国から銘菓を頂くのでおいしい菓子は、よく知っているのだが。

 人は生まれ育ってきた味が一番というけれど、年をとるに従い、子供の頃食べたふかしたさつま藷や焼芋、茹栗など、素朴な味がなつかしくなるようだ。

  熟睡翁敬ふ朝湯沸きにけり   (うまいおううやまうあさゆわきにけり)

は、翌年の敬老の日に詠んだが、敬老という言葉を使わずに詠んでいる。朝寝していると、敬老の日だからと、朝湯を沸かしてくれたという、今では贅沢のうちには入らない敬老の祝いである。つい二十数年前の事で、敬老の日が祝日になったのはこの前年から。

 (昭和42年作・句集『殉教』所収) ※俳句の読みは私が付けたもので本文にはありません。

 さあ、明日の敬老の日にはおばあちゃんをどこに連れて行こうかしら? でもまだ、暑いし、義弟が土曜日に退院したばかりだから家で何か美味しいものでも作って食べましょうか。では今日はここまで…。

 写真は、13日の「中秋の名月」、14日の「十六夜(満月)」、今日15日の「立待月(十七夜)」です。満月だけは雲一つありませんでした。みなさんの所は? 去年のブログを見ると「雨月」でしたので、今年はきれいに見られてよかったですね。

  十六夜や月のゆらりと上りたる         後藤比奈夫

  立待の月光欅真半分              斎藤夏風

      

 

 

              

コメント (2)
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