今日も1日中晴れて、結構日差しは強いのですが、時折吹いてくる風はやはり気持の良い爽やかな秋の風でしたね。先程外に出てみるともう寒いぐらいで…ホント一枚羽織りたくなりました。
すでに昨日「敬老の日」については書きましたので、これを話題にするのは何となく気の抜けたビールのようで…今日は他のことにしましょうか。
先日の句会の兼題は「踊」でした。もちろん俳句で「踊」というのは盆踊を意味しますので、秋の季語なんです。この盆踊は平安初期の空也上人や時宗の一遍上人が広めたといわれる念仏踊を起源とするもので、盆に迎えた霊を供養し、かの世へ送り返すためのものでした。室町時代から江戸時代にかけて盆踊は全国に広がりましたが、その過程で、豊作を祝う豊年踊などと結びつき、土地ごとに変化していき、さらには、宗教てきな色合いがしだいに薄れて、娯楽としての要素を深めるようになったものなんです。
昨年は初めて阿波おどりを見に行きました…それなのに残念ながら総踊は中止になり、おまけに雨まで降ってと散々でした。今年はお天気もよく総踊も復活と幸先のよいスタートを切ったかと、ニュースで見て悔しかったのですが…何のことはありませんでした。14日・15日は台風10号のため中止になったんですって。去年よりもっと悪いですよね。私たちが行ったのも最終の15日でした。しかし、一応雨でも見れましたし、その前の練習会場には屋根がありましたので、習って踊りましたから、中止よりはましかな。今年の東北四大祭は全部バッチシでしたから、これはラッキーでした。
てのひらをかへせばすゝむ踊かな 阿波野青畝
幼い頃、といっても小学生の頃ですが、私は盆踊が大好きで一人でよく踊に行っていました。大分県の別府にいましたから確か〝別府音頭〟とか云っていましたが、子どもでもすぐに踊れたのですから簡単だったのでしょう。大体が手と足を真似ねれば踊れます。この句のように〈てのひらをかへせば〉よかったような…そして、返しながら一歩前に進むんですね。基本的には殆どの盆踊がそうなっているような気がしませんか。ただ今回観に行った山形の〝花笠踊り〟のように、手に花笠のような何かを持って踊るのもありますから、一概にそうとは言えませんが。
句会ではおもしろい句が出ていましたよ。原句は〈提灯も狐も踊る島の夜〉とありましたので、〝これはもしかしたら、大分県の姫島のこと?〟〝そうです。姫島の狐踊で~す〟と、元気な声で作者。私も観に行ったことがありますので、すぐに分かりましたが、〝狐は分かるけど、提灯も踊るの?〟とちょっとかまってみますと、〝いやだあ~、狐が提灯を腰につけて踊るんですよ!〟と。そこで、〈夜〉といわなくても大体想像できますのでこれを削って、〈提灯を腰に狐も踊る島〉と直しました。
姫島の盆踊りは、鎌倉時代の念仏踊りから発展したものといわれています。毎年8月14,15日に、多くの伝統踊り、創作踊りが披露されますが、中でも〝狐踊〟が有名です。盆踊り終了後は、フェリーの夜間臨時便も運行されていますので、近ければ日帰りできますよ。私たちは前日から行って島に泊り、盆踊を見て遅くに帰りましたけど…。 ※写真と説明は、姫島村役場の観光案内からお借りしました。
- 以前は大人の踊りであったが、昭和20年代に大人から子どもの踊りとなり、北浦地区の子供たちによって踊られるようになりました。可愛らしいキツネの化粧とユーモラスなしぐさで人気を集めています。