ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝中秋〟と〝仲秋〟の違いは?

2019年09月13日 | 俳句

 今日は〝中秋の名月〟ですが、満月は明日とか…

 ところで、よく〝中秋の…〟か〝仲秋の…〟かがハッキリしないという声を聞きます。またはどちらでもいいと思って適当に使っている方もいるような気がしますが、意味が違いますので気を付けて使いたいもの。

 〝中秋〟は、陰暦8月15日のことで、1日限りですが、〝仲秋〟は、秋の3ヶ月を孟・仲・季(初・仲・晩)と分けて、その真中をいい、陰暦8月の異称ですので、約1ヶ月間です。だから、陰暦8月15日の〝中秋の名月〟が絶対に満月だとは限らないのです。以前にも書いたことがありますが、大きくずれた年もあります。今年は1日のずれで、9月14日が満月なので名月は少し欠けた状態なんです。要するに月の満ち欠けがきっちりと1日単位でないので、そのずれが生じて、陰暦8月15日は名月であっても、満月になるとは限らないのですよ。今度ぴったりと8月15日が満月に一致するのは2021年だそうです。ああ~ややこしい!詳しくは次を…

 太陰太陽暦では、新月(朔)の瞬間を含む日が、その月の朔日(ついたち)になります。今年は8月30日(新月の瞬間は19時37分)が太陰太陽暦の8月1日、9月13日が太陰太陽暦の8月15日となります。一方、天文学的な意味での満月(望)は、地球から見て月と太陽が反対方向になった瞬間の月のことを指します。今回は、9月14日13時33分に満月となります。今年のように、中秋の名月と満月の日付がずれることは、しばしば起こります。詳しくは、国立天文台暦計算室の暦wiki「名月必ずしも満月ならず」をお読みください。

  名月や池をめぐりて夜もすがら          松尾芭蕉

  むら雲や今宵の月を乗せて行く          野沢凡兆

  十五夜の雲のあそびてかぎりなし         後藤夜半

  いくたびか無月の庭に出でにけり         富安風生

  土砂降の芋名月とこそはなりぬ          石塚友二

  物音も雨月の裏戸出でずして           田中裕明

 さてさて、「今日の月」はどれでしょうか? ちなみに名月が雲で見えないことを「無月」といい、雨が降って全く見えなかったら「雨月」といって、中秋の名月と同じ季語なんですよ。

 天気予報によると、こちらは一日中晴れマークなんですが、全国的には雨や曇りのところもあるようで…。千葉の方はどうなんでしょうか。停電が今日中に復旧すればいいんですが、もしダメならせめて今夜は名月で明るい夜を過ごして欲しいですね。千葉のみなさん、ガンバッテ!

 写真は、11日に買物に行った時の夕空、もう月がこんなに見えていました。名月の前日(陰暦8月14日)の月を「待宵(まつよい)」とか「小望月(こもちづき)」「十四夜月」などといって、これも季語です。そうするとさしずめこれは「十三夜月」ということになりますね。

  待宵や女主に女客                与謝蕪村

  待宵の心に添はぬ雨なりし            稲畑汀子

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする