この映画には、フッションセンス豊かなフランスは一人もおらず、僕らと同じく生活に追われる市井の人々だけが登場する。重いテーマなのに、ホッとした気持ちで、最後まで観ました。
主人公・サンドラは、心の病から回復しつつあるが、精神薬を手放せない。家族を支えるため、16人の仲間がいる職場復帰を願うのだが、その可否は16人で行う復帰賛成・反対の投票にかかっている。投票の前の土日、サンドラは一人一人の仲間に会い窮状を訴えるが、サンドラ復帰に賛成することは、自分たちのボーナスを放棄することになるのだ。
2日間のサンドラの心の葛藤と、彼女を支える夫を追っていくが、いつもグズグズしている自分に決別していく主人公の姿が眩しい。
新しいスタートには、大きなエネルギーが必要だ。