落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

米大統領オバマ氏再選

2012年11月08日 | 政治・外交
米財政再建、超党派で…オバマ大統領が勝利演説 2012年11月8日(木)01:28
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20121108-567-OYT1T00150.html

 【ワシントン=中島健太郎、シカゴ=吉形祐司】米大統領選で再選された民主党のバラク・オバマ大統領(51)は7日未明(日本時間7日午後)、地元のシカゴで勝利演説を行い、「政治の現状が示すほど、我々は分裂してはいない。我々はともに未来をつかむことができる」と述べ、財政再建などの課題に超党派で取り組む姿勢を強調した。
 オバマ氏は2期目に向け、選挙戦で最大の争点となった景気と雇用の回復や、財政政策などをめぐり先鋭化した党派対立の修復を目指す。
 オバマ氏は演説で「財政や税制、移民の問題を解決するため、民主、共和両党の指導者と話し合うことが楽しみだ」とも語り、超党派による議論を呼びかけた。
 だが、6日の大統領選と同時に行われた上下両院議員選で上院は民主党、下院は共和党が多数派を占めることが決まり、改選前と同様に「ねじれ」状態が続くことが確定している。

米オバマ(1961-)、支那習近平(1953-)、露プーチン(1952-)、日本の周辺大国をこれから担う。
内憂外患、党利党略で往生際の悪い民主党政権が続いている。
日本は唯々米中の顔色を窺うようにして生きていくのだろうか。

多民族国家米は白人がマイノリティになりつつある、オバマ再選で米は衰退に向かうのではないかと予測する人もいる。
読むと首肯するところ多し。
[AC論説] No.418 オバマ再選は米国衰退の始まり
http://melma.com/backnumber_53999/

オバマが再選されて喜ぶ人もいる。私はオバマ再選は米国の衰退の 始まりで、特に東南アジア諸国に厳しい影響を及ぼすと見ている。 有権者の半分がオバマに投票したのだから私の意見はあくまでも私 見として聞いて頂きたい。

●過去4年の実績

オバマが再選して今日のニューヨーク株市場は300ドルの下落を示 した。国民がオバマの経済政策に期待してないことを如実に示して いる。オバマが当選して以来、4年間で彼の政策は失敗が多く実績 がない。失業率は7.9%を記録し、公言した5.5%の失業率は霞んでし まった。財政政策では政府支出を削減できず、政府は雇用人員を減 らすどころか逆に雇用が増えた。国の赤字はすでに16兆ドルを越え ている。オバマは国費削減よりも増税をして、特に年収25万ドル以 上の富裕層から税金を徴収する政策を推進し、国会が反対している。

●国防費の削減

4年前に公言したアフガンの撤兵はいまだに実現していないが、ア フガンでの反米テロは増える一方である。9月11日にリビアで米国 領事館が攻撃され、大使と警備に当った3人が殺害される事件が起 きた。オバマは攻撃のメールを受け取っていながら救援を派遣しな かったばかりか、オバマ大統領、ヒラリー国防長官やライス国連代 表などが一致してテロに攻撃された事実を国民に知らせなかった。 この事件はアメリカでベンガジゲートと呼ばれ、今月15日に国会で 訊問が始まる。

オバマの再選で確実になるのは国防費の削減である。ロムニーは国 防費の削減に反対だったが、オバマは強引に国防費の削減を推進し て今後4年の間にオバマは中東から撤退と同時に東南アジアでは現 状維持を要求、つまりアメリカは中国の強引な軍事行動に対して何 もせず、諸国に自制を要求する政策を取るだろう。

オバマが再選され、中東撤兵が現実となればた、ちまち中東各地で 反米運動やテロ攻撃が増加し、中東におけるアメリカの影響力は大 幅に下がる。これは石油資源の確保とシリアの内戦などに大きな影 響を及ぼすだけでなく、イランの原爆製造も確実となるだろう。イ スラエルは既に何度もアメリカに警告してきたがオバマはこれを無 視してきた。いずれイランの原爆が現実となれば世界の平和に大き な脅威、特にイスラエルの存亡に関わる大問題となる。

尖閣諸島や南シナ海での中国の強引な軍事行動や勝手な進出に対し アメリカは何もしない。中国の覇権行為に対し、日本を始め東南ア ジア諸国に対し「平和な話し合いで解決を望む」と言ったリップサ ービスしかやらない。中国の領土拡張は法的根拠も何もない。それ なのに被害国のほうに平和な解決を要求するのは可笑しな話だ。日 本を始めとする東南ア諸国は今から自力防衛対策を講じなければな らない。

●アメリカの赤字政策

オバマは自他共に認める社会主義者だが、私は社会主義者ではなく 共産主義者だと思っている。つまり富める者から奪って貧乏人に与 えると言いながら政府が奪った大半を取ることだ。

共産主義は富める者から奪っても貧乏人は貧乏から抜け出せない。 これがソ連の衰退に?がったのだが、アメリカの赤字削減はアメリ カの最重要課題なのに、オバマは「金持ちから税金を取る」主張し かやっていない。

一年前、アメリカ国会は国の赤字借款を15兆ドルと制限したのだが、 この制限額はたちまち突破され、改めて16.5兆ドルに変更された。 その制限も年末に到達すると言われている。つまりオバマは赤字を 解消する政策がなく経済破綻が目前に迫っているのに、支出削減を せず増税のみを主張しているのだ。国債を発行すれば中国からの借 款が増えて中国に対する発言力はゼロとなるが、オバマは既に中国 に叩頭しているから、東南ア諸国に援助して中国の覇権を抑えるこ とはできないだろう。

●ねじれ国会とアメリカの分裂

昨日の選挙の結果は、下院は共和党が過半数を制し、上院は民主党 が過半数を制する。このため議会のねじれ国会が継続することが確 実となった。下院で通過した法案はオバマと上院が制止し、オバマ の法案は下院が制止するねじれ現象が継続する。

オバマは当選語の演説でアメリカ国民の合作を訴えた。ねじれ国会 で政策が難航することを予想してのことだろうが、国を二極に分裂 させた張本人はオバマだった。

私がオバマに反対する最大の原因は、4年前の就任早々オバマケア と呼ばれる健康保険法案、および国家予算を「国会審議を無視して 三日以内に通せ」と命令したことである。民主的な法案討議を無視 して三日以内で通せと命令したのは独裁の極致である。当時は下院 で民主党が過半数を制していたから出来たのだが、このため二年後 の選挙で共和党が過半数を制するようになると国家予算が通らなく なった。

オバマは黒人だが、白人は人種問題を忌避する傾向があり、投票で は人種差別は殆どなく、ことに若年層の60%はオバマに投票したと いう。だが黒人の方は人種差別が明らかで、今回の投票では黒人の 93%とラテン系人の殆どがオバマに投票した。人種問題、移民問題の 上に民主党と共和党の分裂を進めたのはオバマである。国の分裂は 国の衰退を招く。二度目の当選を果たしたオバマが国の団結を呼び かけるのは当然と言えるが、分裂を誘起したのはオバマである。政 党、人種の融和を願うといっても分裂の傷は一朝一夕に治るもので はないだろう。

以上、国防費の削減、赤字と増税、人種差別と国民の二極化などを 挙げてオバマの再選がアメリカの衰退の始まりである私見を述べた。 私は中国人の共産思想と独裁を経験した人間である。反論もあるだ ろうが、あくまでも個人の意見と了解して頂きたい。