落葉松亭日記

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中台会談

2015年11月07日 | 政治・外交
馬英九氏が台湾総統に当選した頃、「天安門大虐殺」の真相究明や、法輪功に対する声援と支持し、中国共産党の「反国家分裂法」を批判し、今後もこの立場を堅持していく」と云っていた。(2005/08/15大紀元)
が、だいぶん変節し、中台接近が進んでいるらしい。
もし台湾が中共に併呑されるとなれば、日本にとっても大変な事態になるが・・・
【中台首脳会談】7日の歴史的会談は1時間の予定 台湾向け弾道ミサイル撤去が議題に上る可能性も
http://www.sankei.com/world/print/151106/wor1511060066-c.html

 【シンガポール=矢板明夫、田中靖人】中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統は7日、シンガポールで1949年の中台分断以降、初の首脳会談を行う。中台の分断は韓国と北朝鮮と同様、北東アジアに残る冷戦の産物だ。国共内戦から66年を経て実現する歴史的会談が地域の緊張緩和につながるかどうかが注目されている。

 会談は、国際会議が頻繁に開かれるシャングリラホテルで行われる。馬総統は7日午前にチャーター機でシンガポール入り。会談は午後3時(日本時間同4時)から約1時間行われる予定で、双方から各7人が出席する。馬総統は夕食会の後、台湾への帰途につく。

 会談では、独立志向で緊張を高めた陳水扁前政権に代わり、馬政権下で進んだ中台接近の意義を再確認。双方の当局が交流の基礎としている「一つの中国」原則に基づく「1992年コンセンサス」の重要性を強調する見通しだ。

 馬総統は5日の内外記者会見で、昨年2月から始まった主管官庁閣僚会談よりも高いレベルでの交流を制度化する意向を示している。また、議題には「敵意の低減」が含まれると述べており、中国が台湾向けに配備している多数の弾道ミサイルの撤去を求めるかについても関心が集まっている。

 会談の場を提供したシンガポールは、リー・シェンロン現首相の父、リー・クアンユー初代首相時代から中台双方の仲介役を果たしてきた。1993年には、中台双方の民間窓口機関のトップ会談が行われ、その後の中台交流のきっかけとなった。89年には台湾の李登輝総統(当時)が訪問。馬総統も今年3月、死去したリー・クアンユー元首相の弔問に訪れた。
 シンガポールには6日、各国の報道陣が集まり始め、会場のホテルも慌ただしい空気に包まれている。

西村眞悟の時事通信 平成27年11月6日(金)
http://www.n-shingo.com/

馬が中共の人参を食べに行く

四日の産経新聞朝刊の一面のトップの大見出しは、 「中台首脳 初会談へ」である。
しかし、この横書き大見出しの右の縦書きの副題を見て、 産経よ、何を慌てているのか、と思った。
そこに、「1949年の分断以来」と書いてあったからだ。

台湾と中共つまり中華人民共和国が、 いつ「分断」したのだ。

台湾と中共の「分断」という歴史のフィクション の上に乗った大見出しを掲げると云うことは、 産経が、中共の台湾侵略併合という無法の野望に手を貸すことに為るではないか。
中共は、 台湾との「統一」が本来の姿であり、 現状を「分断」として武力による現状変更の正当性の根拠にしている。
よって、産経の見出しは、危険極まりない。

中華人民共和国は、1949年10月1日、天安門の上で建国を宣言した。
それは、中国共産党が、蒋介石の中国国民党との武力闘争に勝利したからだ。
敗北した中国国民党の蒋介石は、 1949年、台湾に逃げ込んで、以後、国民党が台湾に居座り続けている。
それだけではないか。
その前は、 国民党の蒋介石が重慶におって 共産党の毛沢東が延安の穴蔵に土蜘蛛のように逃げ込んでいた。
逃げる奴と逃げ込む場所が変わっただけではないか。

何故、国民党が台湾に逃げ込んで居座り続けることが出来たのか。
それは、日本軍が整然と台湾から引き揚げたからである。
台湾に逃げ込んできた国民党軍は、 靴も履いていないぼろを着た兵隊が、 鍋や釜や鶏をぶら下げてぞろぞろ歩く群れだった。

問題は、中国共産党と中国国民党との間のことであって国家間のことではない。
そもそもこの両党は、 二回の合作(連立)とその間の抗争を繰り返して支那の権力を目指してきた。
政党の合作(連立)の破綻を「分断」というのならば、 小沢一郎氏による自自連立解消も「分断」であり、維新の会も「分断」だ。

馬英九は、確か、地方選挙敗北の責任をとって、中国国民党の主席を辞任している。
従って、この度のシンガポールでの馬と習の会談は、「中台首脳の会談」ではあっても、 「分断」された中国共産党と中国国民党首脳の会談ではない。
従って、何れにしても、産経の副題は、間違い。
そこで、中台首脳、つまり、「中台両国」の首脳会談であるが、 何故、セットされたのか。
その結論を述べる。
カネだ。
馬には中共からカネが渡っている。
そのカネが会談セットの理由だ。
中共にとってカネはミサイルよりも安くつく。

そもそも、来年一月に台湾の総統でなくなる馬、 つまり二ヶ月後には、責任能力の無くなる馬が、 世界中で最も狡くて野蛮で危険な国の習と会談して、 台湾に何のメリットがあるのか。
台湾にとって百害あって一利無しではないか。
他方、中共にとっては、 ミサイルを使わずに台湾を呑み込む切っ掛けを掴む絶好のチャンスである。
これは台湾国民のみならず、我が国を含む東アジアの将来に重大な暗雲をもたらす。
こんなことが、馬がカネを懐に入れるだけのことで行われていいのか。

馬英九は、もともと台湾の総統になる前から、 アメリカのグリーンカード(永住権)を密かに持っていて、 いつでもアメリカに移住する男だと噂されていた外省人つまりシナ人である。
つまり、馬は、いつでも貯め込んだ財産を持って外国に移住する中国共産党の幹部連中と同じ人種なのだ。
そして、政権の後半に入って急速に中共と接近した。
その時、台湾の学生が決起して、昨年、馬の中共迎合を、ノー!と言って阻止した。

それで、この度、馬は、昨年の経験を生かして、 夜陰に乗じて三日深夜つまり四日未明、中共との首脳会談を発表している。

中共(シナ)との取引関係があってシナのやり口を体で知っている親しい財界人から意見と判断を聞いているのだが、昨年、彼は、馬の中共迎合を一言で説明した。
「馬は中共からカネをもらった。断言できる」と。

九月から十月にかけての、習近平のアメリカ訪問とイギリス訪問を見られよ。
首脳会談ではなく、買収に行っているとしか思えないではないか。
アメリカでは、大型旅客機三百機購入、イギリスでは原子炉建設援助七兆円出資らしい。
そして習本人はアメリカ・イギリス訪問を大成功だと思っている。
その流れで、つまりカネで馬との会見がセットされたと見るべきである。

もっともアメリカへは、旅客機は三百機シナ本土に工場を建てて製造してくれであり、 イギリスの原子炉も安全の保障は無いらしい。
同様に、台湾と台湾国民には、何のメリットもない。
ただ、馬と一族が生涯富豪の暮らしをアメリカですることができるだけだ。
シナ人のすることは、清朝末期から歴代変わらない。
台湾の学生が、決起するだろう、決起してくれることを願う。

なお、本稿で私は、馬英九のことを馬と呼び捨てにしている。その訳を記しておく。
(1)馬が最初の総統選挙出馬に際して、衆議院会館にきて講演をした。
 その時、彼は、台湾は独立しないと言った。
 また、彼は、アメリカの大学に「尖閣諸島は中国のもの」という論文を提出して学位をもらっていた。
 そこで、私は彼に二つ質問をした。
 一つは、台湾は独立しないと言ったが、現在、台湾は何処かの植民地なのか。
 二つ目は、俺は尖閣諸島に上陸してあそこが日本の固有の領土であることをこの目で確認してきた。
 貴公は、何を以て我が国の領土を中国のものだと、こともあろうに我が国に来て言うのか。
  日本の領土を中国のものだと言う者は、呼び捨てでいい。

(2)総統選挙の際、台北を歩いていて、国民党の馬英九と民進党の謝長廷のポスターを指さして  台湾のステテコで歩いていたおっちゃんを呼び止めて聞いた。どちらを支持すると。
 私が、馬英九を指さすと、その人は言った。
 「ダメ、ダメ、アレ、チャンコロ、チャンコロ、ダメ」

(3)尊敬する蔡焜燦先生が、馬英九のことをいつも「きちがい馬」と言っている。
  蔡先生が正しかった。きちがい馬だ。
  李登輝閣下も、「馬英九が何をしでかすかわからない」と言われている。

お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com
http://www.n-shingo.com/

メルマガ「台湾は日本の生命線」2015/11/07/Sat
本日、台中首脳会談―緊張緩和?台湾では大きな警戒感

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-2685.html

■日本メディアの誤解―台湾と中国は分断国家ではない

本十一月七日午後、台湾の馬英九総統はシンガポールで、中国の習近平主席と首脳会談を行う。
日本のメディア各社はこれを「一九四九年の中台分断後初の首脳会談」などと位置付けて報じており、産経新聞の七日の記事「緊張緩和へ契機となるか 中台首脳きょう会談」も、「中台の分断は韓国と北朝鮮と同様、北東アジアに残る冷戦の産物だ」などと解説する。
つまり台湾と中国を分断国家(日本メディアは台湾を「国家」とは呼ばないが)、つまり一つの国に二つの政府が並立していると言いたいようだが、それは違うのではないか。

そもそも台湾は、日本が一九五二年にサンフランシスコ講和条約に基づき放棄した後も、中国の領土になっていない。たしかに四五年、中国(当時は中華民国)は連合国総司令部の命令に従い台湾を占領し、その際に何の条約も経ずに勝手に領土編入を宣言し、そして四九年には中華民国政府が国共内戦で敗れて台湾へ亡命したが、当時台湾はまだ、法的には日本領土だったのだ。
中華民国はあくまでも、当初は連合国の一員として、そしてその後は「中国」亡命政権として台湾を支配し始めたのであり、支配したからと言って台湾が中国領土でなったのではないのだ。もしそれでもメディアが「分断」国家と誤解するのなら、それはきっと国共両党の「一つの中国」(台湾は中国の一部)の虚構宣伝の影響だろう。
そうした誤解は感心できない。「一つの中国」を認める報道は、中国の台湾併呑という侵略行為が正当化されるような印象を与えるからだ。

■緊張緩和の条件は侵略国家への台湾側の譲歩

それはともかく産経の記事は、「国共内戦から66年を経て実現する歴史的会談が地域の緊張緩和につながるかどうかが注目されている」と書いている。
「馬総統は5日の内外記者会見で、昨年2月から始まった主管官庁閣僚会談よりも高いレベルでの交流を制度化する意向を示している。また、議題には『敵意の低減』が含まれると述べており、中国が台湾向けに配備している多数の弾道ミサイルの撤去を求めるかについても関心が集まっている」ということだが、問題はそうした「緊張緩和」をどこまで歓迎していいのかということだ。
なぜなら、中国との間の「緊張緩和」は、台湾が中国の併呑攻勢への抵抗を弱め、初めて実現されるものだからだ。

■馬英九は台湾より中国にシンパシー抱く中華民族主義者

産経記事によれば、「会談では、独立志向で緊張を高めた陳水扁前政権に代わり、馬政権下で進んだ中台接近の意義を再確認。双方の当局が交流の基礎としている『一つの中国』原則に基づく『1992年コンセンサス』の重要性を強調する見通しだ」という。
これはこういうことだろう。

民進党の陳水扁政権(二〇〇〇~〇八)は、台湾と中国は「一辺一国」(それぞれ別々の国)との実際の現状を強調し、「一つの中国」の虚構を否定。これに対して中国はそれを「台湾独立」の主張と断罪し一方的に緊張を高めて牽制した。その後、国民党の馬英九政権が発足し、再び「一つの中国」を容認し、「中台接近」を行った。そして今度の会談で両者は、「一つの中国」の原則堅持を確認し合う見通しだと・・・。

このように「中台接近」(関係改善)は、台湾が「一辺一国」の状態(台湾は主権国家であるとの現状)を自国否定するという譲歩を見せて初めて進展したものなのだ。
したがって、もし今回の会談が「緊張緩和」への契機となるとすれば、それは馬英九氏があらためて中国の侵略欲を何らかの形で満たしたということだろう。

日本人の多くは、総統が国家主権を自ら損ねるなどとは俄かに信じられまい。だが馬英九氏は身も心も、台湾人ではなく中国人であり、民進党など台湾人野党より中共にシンパシーを抱き、そして彼自身が「一つの中国」の原則を捧持する中華民族主義者なのである。

なお産経記事は陳水扁政権が「緊張を高めた」といった書き方だが、それなら中国が「高めた」と書くべきだろう。その方が読者に対し、「好戦的なのは台湾ではなく中国。この国さえ侵略主義を放棄すれば、こうした緊張は発生しない」ということ伝わりやすい。

■台湾メディアは「敵対国家の指導者との密会」と

台湾の最大手紙、自由時報が六日に掲載した「必ず台湾を傷つける馬習会談」と題する社説によれば、台湾人民が今関心を寄せるのは「国家がいかなる代価を支払うことになるか」だそうだ。会談は「明らかに中国が主導。台湾はすでに風下に立たされている」からだという。

社説は今回の会談の本質について次のように書く。
―――馬英九はこれまで何度も馬習会談を提案して来たが、中国は取り合わないで来た。なぜなら習近平は人気のない馬英九と握手しても、その台湾工作には有害無益だと知っているからだ。そのため個人の歴史的実績作りに夢中の馬英九は中国に卑屈になっていたが、今回ついに念願が適った背景には、それなりに中国の狙いがある。
―――今回は中国の呼び掛けに馬英九が応じ、密室作業で準備したため、国会議長ですらメディアからの質問で知った。
―――馬習会談が行われれば、歴史的実績つくりしか念頭にない馬英九によって台湾は大きな障害を受ける可能性が高い。
―――本質的に言えば、これは国家元首と敵対国家の指導者との密会である。事は重大で前代未聞。慎重に処理すべき問題だ。
―――台湾人民が警戒すべきは、今回は十年前、国民党の連戦主席が中共の胡錦濤総書記と会見した「平和の旅」をレベルアップさせるものであるということ。当時、国共両党は提携して台湾を抑えようと共謀したが、今回は国家元首が敵国指導者と提携し、国内の政党、人民に対抗するというもので、その悪性はさらに重大だ。

■国共は「緊張緩和」しても矛先は台湾、そして日米同盟に

さて今回の会談が緊張緩和の契機になるかだが、社説は次のように書くのである。
―――馬習会談は「台湾海峡の平和を強固するため」「次の世代の幸福のため」に行うと馬英九は説明するが、それは事実ではない。
―――最も根本的な問題は、台湾海峡の平和に対する唯一の脅威は中国の武力による台湾併呑。こうした野心を改めない限り、台湾海峡の緊張緩和が見られても、それは暫定的、そして表面的なものでしかない。

ところで東京新聞は習近平氏が馬英九氏との会談を決めた背景をこう分析する。
「来年一月の台湾総統選では野党候補が勝利する可能性が高い。現在の安定した中台関係を維持するため、『時間切れ』を迎える前に会談を決断したとみられる」
この「現在の安定した中台関係」とは、「一つの中国」の虚構を基礎とし、中国が「統一」の前段階としては好しとする両国関係のことだが、次期総統選挙で「一中」を認めない民進党が政権を握れば、国民党の操縦を中核とする中国従来の台湾工作は大きな後退を余儀なくされる。

そこで警戒されるのが、従来の「中台関係を維持」したい国共両党の謀略なのだ。
そしてそうした中、馬習会談の秘密計画が最近突然明らかになったわけである。自由時報の社説は次のように訴える。
―――李登輝元総統は約一カ月前、「最も心配なのは馬英九が来年一月の総統選挙後に混乱を惹き起すこと」と警告し、「人民は必要な時に立ちあがるべきだ」と訴えたが、果たしてその予測は的中したようだ。もし馬英九の忍耐が切れれば、選挙前に暴走しそうだ。国民は会談計画に対する日々の驚き、怒りをパワーに変え、馬習会談を厳しく監督するとともに、選挙では理智を以って投票を行い、その後も決して油断することなく、この人民から見放された暴君を監視しなければならない。
「緊張緩和」どころか、何ともきな臭い話だ。

忘れてはならないのは、中華民族主義を共有する国共間の「緊張緩和」はあっても、国共はその矛先を常に、中国人に服従しない台湾人に向けているのだ。そして台湾の防衛の後ろ盾である日米同盟に対しても。

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