落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

米大統領選投票 いよいよ明日

2016年11月07日 | 政治・外交
トランプ、クリントンの両氏はどちらも一癖二癖ある人物と伝えられている。
それぞれ「暴言癖」「嘘つき」のレッテルを貼られている。
この二人しかいないのなら「嘘つき」よりは「暴言癖」の方がマシと思うが、どうなるか・・・
【米大統領選】投票、いよいよ明日 「安定」か「変化」かの選択 影響は国際社会を左右
http://www.sankei.com/world/print/161107/wor1611070034-c.html

 【ワシントン=青木伸行】米大統領選は、一歩リードする民主党のヒラリー・クリントン候補(69)を、共和党のドナルド・トランプ候補(70)が激しく脅かす展開のまま、いよいよ8日に投開票を迎える。クリントン氏の私用メール問題について、米連邦捜査局(FBI)が6日、訴追を見送る方針を公表し、同氏には追い風になるとみられる。「安定」か「変化」か、「国際協調路線」か「孤立主義」かの選択であり、選挙結果は米国のみならず国際社会の針路に大きく影響する。

 クリントン氏はオバマ政権の主要政策を引き継ぐとしている。日本をはじめとする同盟国との関係強化など、国際協調路線を旨としている。大きな変化は予想されず、安定感が強い。

 一方、トランプ氏は不法移民の排除など排他的な国内政策を推し進め、対外的には「米国第一」主義を掲げて、国際社会への関与を低減し距離を置こうとしている。

 米国民の選択は不透明感を強める国際情勢と秩序の行方に影響し、分岐点となる可能性さえある。有権者が投じる1票は、かつてないほど重い。

 連邦捜査局(FBI)が10月28日、クリントン氏の私用メール問題に関する再捜査を発表して以降、主要メディアの世論調査による支持率は、目まぐるしく変動している。 ・・・・

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)11月6日(日曜日)通算第5074号
http://melma.com/backnumber_45206/

トランプ。九回裏二死満塁。「逆転満塁さよならホームラン」の可能性
 民衆の反エスタブリシュメント、反グローバリズムへの怒りは強烈


 不思議な現象が起きている。
 あれほど全米マスコミに罵倒されながら、ドナルド・トランプの支持率は尻上がり。ヒラリー・クリントンとの差は僅か1%にまで猛追している。
通常の誤差の範囲は5%だから、事実上、逆転しているのではないか。

  全米の新聞のなかで、1紙をのぞき、ほぼ200紙がトランプを批判し、そのうち、30紙がヒラリー支持を社説に掲げた。残り1紙は「リバタリアン党」を支持した。まさに異常事態である(ワシントンタイムズとて、明確にトランプ支援をしていない)。

 テレビはかろうじて「フォックス・テレビ」が中立的だが、残りの局は、なべてヒラリー支援。CNNは90%の番組が民主党支援キャンペーンのごとくであり、いったい、これほどの四面楚歌にマスメディアの報道合戦の上で晒されながら、トランプはテフロンのように強い支持に支えられている。これが謎だった。

 地下マグマのようなダイナミズム、あの熱狂の根っこにあるのは、アメリカ人大衆のワシントンへの怒りだ。火山の爆発のような突発事が起きるのではないか。スタインベックの『怒りの葡萄』を思い出した。

 エスタブリシュメント、ウォール街、そして1%の富裕層に対して、多くのアメリカ国民は既成政治家のゲームに厭いた。だからヒラリーはウォール街の操り人形と訴えるトランプのレトリックに酔う。
 そのヒラリーがウォーレン・バフェット(全米投資家トップ)を応援弁士に担ぎ出したことは、ひょっとして致命的ミスに繋がるのではないか。

 既に「期日前投票」(不在者投票)を済ませた有権者は過去最高にのぼっており、また従来は「投票に行かなかった」人々が、こんどはトランプに票を入れに投票所へ行くという。

対照的にヒラリー支持者は、絶対に行くと答える人が少なく、熱狂が薄い。集会における空席が目立ち、盛り上がりが欠けるのはヒラリー集会であり、トランプの集会は立錐の余地がない。全米のテレビは意図的にこの場面を映し出さない。映像操作をおこなっているようである。

 トランプ。絶体絶命と言われた九回裏二死満塁。長嶋茂雄の天覧試合を思い出しませんか? 「逆転満塁さよならホームラン」の可能性が高まった。

AC通信 No.617 小悪は巨悪に勝てるか(2016/11/06)
http://www.melma.com/backnumber_53999

前の記事(No.616)でウィキペディアと書いたのはウィキリークの 筆の誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。

さて、投票日まであと二日となり、毎日いろいろな情報が飛び交っ ているが情勢は混沌として誰が勝つか予測できない。アメリカのメ ディアはヒラリー贔屓だからヒラリーに不利なニュースは書かない。 FBIのコミー長官がメール問題の調査を再開すると国会に通知した 後ヒラリーの人気は下がりトランプの人気が上昇した。

●トランプ小悪とヒラリー巨悪

投票二日前の情勢ではヒラリーが有利で当選に必要な270票を上回 っているが、フロリダ、ノースカロライナ、ネバダ、オハイオ、ペ ンシルバニア、アリゾナなどの州では僅差で、誰が勝つか予測がつ かない。FBI長官のメール調査再開の発表のあとヒラリーの人気は 各地で下がりつつある。しかしトランプはあまりにも暴言が多かっ たので人気は上らない。有権者の多数はトランプに投票するのでは なくヒラリーに当選させたくないからトランプに投票するのだ。

トランプは幼稚な自大狂で敵を作りすぎた。女性蔑視発言の録音が 暴露されて女性票を失い、違法移民問題で南米移民の反感を買い、 黒人層の殆どはオバマ支持だからヒラリーに投票する。つまり有権 者の過半数がトランプに反対である。この中からトランプに投票す る者が出るのはヒラリーの罪悪があまりにも酷いからだ。

ヒラリーのメール問題が再燃したとたんに国民はヒラリーが有罪判 決を受けてクリントン一家の巨悪を裁くことに熱中しだした。正に 悪事千里を走るでヒラリーのメール調査ニュースは、トランプの小 悪よりもヒラリーの巨悪を裁くことに興味が移ったのだ。

あと二日で投票だが、現在の情勢はヒラリーに有利だが上に挙げた 重要な州の情勢が変わればトランプ当選もありうる。宮崎正弘氏が 言ったように投票二日目の現状は9回裏の二死満塁、サヨナラホー ムランもありうる。小悪は巨悪に勝てるかである。

今回の選挙は期日前投票が有権者の4割ぐらいあったとされる。期 日前投票はメール調査再開のニュースが出る前からあったのでヒラ リーに有利と言われている。

別の面では共和党のトランプに批判的だった党員や議員などがトラ ンプに投票したと発表した。つまりヒラリーの巨悪を暴くためには トランプの小悪はまだ我慢できると言うのだ。

●ウィキリークの公開情報

ウィキリークは毎日のようにヒラリー陣営のメールを暴露し、ヒラ リーの違法だけでなくクリントン慈善基金の数々の違法が明るみに 出ている。クリントン家の罪悪追及は選挙後も続くはずだ。

FBIはヒラリーのメール調査の外にも公表していない、クリントン 基金の違法行為やビルクリントン大統領の収賄で赦免など、5件以 上のクリントン家犯罪を調査しているとウィキリークが発表した。 ウィキリークは一日に数千件から数万件のメールを公開しているの で、ヒラリーやクリントン一家の命取りとなりそうだ。

これまでに公開されたニュースだけでも、
(1).慈善基金からビルクリントンの個人口座に多額の金が入るよ うに操作した、
(2).ヒラリー国務長官はUBS銀行の脱税を見逃す、クリン代償と してトン基金に献金するよう操作した。
(3).ヒラリーはアメリカ産のウラニュームの20%をロシアに売る 約束をしていた、
(4).ヒラリー陣営の副委員長が弁論会の質問を事前にCNNから取 得していた、
(5).ヒラリーはフィリッピン人の掃除婦に、機密メールを含むヒ ラリー国務長官あてのメールを印刷することを命じていた、
(6).クリントン慈善基金はチェルシー・クリントンの結婚費用を 支払い、彼女の生活費まで基金が提供していた、

違法行為は枚挙にいとまがない。クリントン夫妻は世界各地でマフ ィアまがいの恫喝やゆすりで基金を増やしてきたのである。

●FBI長官は違法ではない

コミー長官がヒラリーのメール調査委を再開する手紙を国会に送っ たことでヒラリーを始めオバマ、司法長官や民主党員がコミー長官 は違法だと譴責した。しかしコミー長官は法を犯していない。長官 は「メール調査を再開すると国会司法委員会に通知した」だけで、 民間に発表したのでなく、ヒラリーが罪を犯したと言っていない。 悪事千里を走るで、このニュースが国内で瞬間的に流され、ヒラリ ーが有罪のような印象を与えたのは確かである。国民はこのニュー スの前までヒラリー当選を疑わなかったが、ヒラリーとクリントン 一家の罪状が調査、起訴される可能性が出てきたことに異常な興奮 を覚えたのである。選挙よりも犯罪調査だと喜んだ、ヒラリーに対 する反感が強烈に表に出たのである。

●選挙後の展望

あと二日で投票である。ヒラリー優勢だが結果はわからない。トラ ンプの逆転勝もありうる。だがヒラリーが当選しても犯罪調査は終 わらない。FBIの調査、国会の調査は続く。トランプは選挙に負け ても告訴するだろうし、国民のヒラリーの犯罪調査に対する関心は 異常に高い。

今回の選挙は小悪と巨悪の戦いである。トランプが当選してもこん なダメな奴が大統領ならアメリカは独裁国家となる。ヒラリーが当 選したら「クリントン・マフィアが世界でのさばる」ことになり、 これは何としても避けねばならない。

国会における共和党優勢は続くだろう。上院では共和党が4人落選 すれば50対50の同数となり、当選した副大統領が最終決定権を持 つことになる。共和党が上院で多数となったらヒラリーが当選して も犯罪調査で大統領罷免に持ち込む可能性がある。