24日、中国、ロシアの軍用機が島根県竹島上空で合同飛行を行うという事件があった。
日本の防衛省は、このロシア軍用機が日本の領空を侵犯し、ロシアと中国の爆撃機が日本の周辺を飛行したと発表した。https://www.cnn.co.jp/world/35140319.html
この事件にはどんな意味があったのだろうか
日韓関係はますます険悪になり、韓国はホワイト国剥奪、韓国経済は総崩れ危機とか。
一方、北にはいつの間にか露が入り込んで軍事協力をしている図だ。
日本の防衛省は、このロシア軍用機が日本の領空を侵犯し、ロシアと中国の爆撃機が日本の周辺を飛行したと発表した。https://www.cnn.co.jp/world/35140319.html
この事件にはどんな意味があったのだろうか
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第383号(7月28日号)
http://melma.com/backnumber_190875/
*ロシアの影
23日、韓国の戦闘機が竹島上空でロシア軍機に警告射撃を行い、日本がロシアと韓国に抗議したが、ここで注目すべきは、ロシア軍機が中国軍機と日本海で共同作戦を行っていたという事実だ。
ロシア国防省は「中国軍とアジア太平洋地域で初となる長距離合同パトロールを実施していた」との声明を出した。中露同盟軍が日本を侵略しようとしている構図に見えるが、実は中国がもはや単独で海洋進出できなくなってロシアの協力を求めたのだ。
昨年10月29日に中国の情報収集機が対馬海峡から日本海に入り、日韓がスクランブルしたが、その日は、インドのモディ首相が安倍総理と東京で会談し、自由インド太平洋戦略の推進を確認した日でもあった。
つまり中国が自由インド太平洋戦略を牽制したのであり、中国の拡大主義政策である一帯一路を断固推進する姿勢を示したのだ。だが中国経済の減速傾向が顕在化し、中国の空母建設にも支障が出始めた。
6月に習近平はロシアでプーチンと会談し、今まで単独で推し進めてきた北極海航路の開発を共同開発にすることで合意した。そして、かつて中国海軍の提督が米中で二分しようと豪語した筈の太平洋地域でもロシアとの共同作戦に踏み切らざるを得なくなった訳だ。
今や中国の経済は中国の海洋軍事進出を支えられない段階に至っているのだ。この間隙をぬったロシアの動きは、遠方に獲物を見つけるや駆け寄ってくるホッキョクグマの様に、いかにも素早い。
先週、北朝鮮は、金正恩が新たに建造された潜水艦を視察している写真を公開した。新型と呼ばれる、その潜水艦は旧式のソ連製を改造したものだ。25日には、2発の短距離弾道弾を日本海に撃ち込んだが、これもまたロシア製を改造したものだ。
いずれもロシアの協力なしに出来る物ではない。かつては中国の属国とまでいわれた北朝鮮にいつのまにかロシアが入り込んで、北朝鮮の兵器開発を指導しているのである。
現在の東アジアの情勢は19世紀末にそっくりだが、ただひとつ違う点があるとすれば、今の日本は、日清、日露戦争を戦い抜いた日本ではない点だろう。
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
動画配信中:「戦争の常識」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1494517092
上記動画のテキスト本
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
動画配信中:「地政学入門」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1475838508
上記動画のテキスト本
「領土の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
動画配信中:「地図で見る第二次世界大戦」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428
上記動画のテキスト本
文庫「図解大づかみ第二次世界大戦」
http://www.kadokawa.co.jp/product/321502000376/
動画配信中:「現代戦闘機ファイル」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
上記動画のテキスト本「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html
動画配信中「よくわかる!ミサイル白書」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409
上記動画のテキスト本「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
2017年12月、韓国で韓国語訳が出版。
その他の著書:
「国防の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
http://melma.com/backnumber_190875/
*ロシアの影
23日、韓国の戦闘機が竹島上空でロシア軍機に警告射撃を行い、日本がロシアと韓国に抗議したが、ここで注目すべきは、ロシア軍機が中国軍機と日本海で共同作戦を行っていたという事実だ。
ロシア国防省は「中国軍とアジア太平洋地域で初となる長距離合同パトロールを実施していた」との声明を出した。中露同盟軍が日本を侵略しようとしている構図に見えるが、実は中国がもはや単独で海洋進出できなくなってロシアの協力を求めたのだ。
昨年10月29日に中国の情報収集機が対馬海峡から日本海に入り、日韓がスクランブルしたが、その日は、インドのモディ首相が安倍総理と東京で会談し、自由インド太平洋戦略の推進を確認した日でもあった。
つまり中国が自由インド太平洋戦略を牽制したのであり、中国の拡大主義政策である一帯一路を断固推進する姿勢を示したのだ。だが中国経済の減速傾向が顕在化し、中国の空母建設にも支障が出始めた。
6月に習近平はロシアでプーチンと会談し、今まで単独で推し進めてきた北極海航路の開発を共同開発にすることで合意した。そして、かつて中国海軍の提督が米中で二分しようと豪語した筈の太平洋地域でもロシアとの共同作戦に踏み切らざるを得なくなった訳だ。
今や中国の経済は中国の海洋軍事進出を支えられない段階に至っているのだ。この間隙をぬったロシアの動きは、遠方に獲物を見つけるや駆け寄ってくるホッキョクグマの様に、いかにも素早い。
先週、北朝鮮は、金正恩が新たに建造された潜水艦を視察している写真を公開した。新型と呼ばれる、その潜水艦は旧式のソ連製を改造したものだ。25日には、2発の短距離弾道弾を日本海に撃ち込んだが、これもまたロシア製を改造したものだ。
いずれもロシアの協力なしに出来る物ではない。かつては中国の属国とまでいわれた北朝鮮にいつのまにかロシアが入り込んで、北朝鮮の兵器開発を指導しているのである。
現在の東アジアの情勢は19世紀末にそっくりだが、ただひとつ違う点があるとすれば、今の日本は、日清、日露戦争を戦い抜いた日本ではない点だろう。
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
動画配信中:「戦争の常識」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1494517092
上記動画のテキスト本
「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265
動画配信中:「地政学入門」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1475838508
上記動画のテキスト本
「領土の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089
動画配信中:「地図で見る第二次世界大戦」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428
上記動画のテキスト本
文庫「図解大づかみ第二次世界大戦」
http://www.kadokawa.co.jp/product/321502000376/
動画配信中:「現代戦闘機ファイル」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
上記動画のテキスト本「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html
動画配信中「よくわかる!ミサイル白書」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409
上記動画のテキスト本「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
2017年12月、韓国で韓国語訳が出版。
その他の著書:
「国防の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)
日韓関係はますます険悪になり、韓国はホワイト国剥奪、韓国経済は総崩れ危機とか。
一方、北にはいつの間にか露が入り込んで軍事協力をしている図だ。