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コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] サイエンス・イマジネーション

2008-11-15 20:19:44 | SF
『サイエンス・イマジネーション』 科学とSFの最前線、そして未来へ
瀬名秀明 編著 小松左京 監修 NTT出版



これは日本SF大賞を与えるべきである。僕はそう思う。

2007年の夏に日本で行われたワールドコン、Nippon2007の一企画であった「サイエンス・イマジネーション」を書籍化したのがこの本である。当時、一参加者として現場に立ち会った身としては、この企画は語り継ぐべきだと思うし、単発で終わってはいけないと思う。

この企画では、科学技術の最先端で研究を続ける科学者、技術者に先端技術を発表してもらう。そしてそのとき、SF作家に対して提言をしてもらう。SF作家はその提言に答える作品を書くというのが趣旨である。

今回、取り上げられたものは、ロボット、認知工学、知能工学の分野であるが、コレだけで終わってしまうのは本当に惜しい。今年ノーベル賞受賞で湧いた量子物理学や、有機化学。SFで見れば、一大分野を形作っている宇宙物理学やロケット工学、生命科学や遺伝子工学などなど、ネタはいくつもある。

SFは科学(工学)と文学の幸福な結婚の元に生まれる。僕は本気でそう思っていて、SFはスペース・ファンタジーだの、スペキュラティブ・フィクションだのである前に、サイエンテフィック・フィクションであるべきだと考えている。

だからこそ、ブンガク系を嫌悪する理系者や、科学なんてわからないとソッポを向く文系者にこそ、この本を読んでもらいたい。とはいえ、広く読んでもらうにはちょっと値段が高過ぎ(\2800)。文庫落ちの頃には科学の方が最先端じゃ無くなっていそう。

でも、大丈夫。ちゃんとwebでも読めます(笑)

ウェブマガジン「トルネードベース」からどうぞ。




ところで、瀬名秀明といえば、『パラサイト・イブ』の頃に、SFがわかっていないと、SFファンから総叩きにあったんだよね。(僕もパラサイトイブのラストは嫌い。あれは壁投げ本。)
その結果、こうなりました。
「SFとのファーストコンタクト」
「SFとのセカンドコンタクト」
トルネードベースでの企画発表もそうだけど、こうやって、読めるように資料が置いてあるところがスゴイ。

今じゃ、研究者の中にSFを広める伝道師みたくなっています。
まあ、本人はパラサイトイブの頃から何も変わっていないと思っているかもしれませんけど……。