先週からの情報を時系列で整理し、頭の中を整理
次回FOMCでの情報が出そろったのは、19日水曜日のベージュブック。
この内容で、いくつかの地区連銀総裁が、利回りのピーク感や利上げの漸減について述べている。
この内容について、後刻、ブラックアウトになる直前に、セントルイス連銀総裁やサンフランシスコ連銀総裁などが発言し同様のものを提起した。
これを受けて、FRB高官たちが、まだ利上げは必要、という「タカ派発言」を発表。
21日金曜日になって、WSJの記者が、11月FOMCで、利上げのピーク感や利上げ幅の漸減などが議論されるようだ、という観測記事を発出。
これを受けて、ドル円は、151.942円高値を付けた後、売られる傾向になりつつあった。
このころ、本邦当局は、一気に152円へ上昇接近したドル円相場へ介入を決断。
証券会社などの為替売買の板情報で、17時欧州タイム後のものは、「売り」が出ても、これをすぐ買い方が喰いに行き、売り方が「踏まれて」すぐ消えていく状況になっていたとのこと。
小生のようなFX取引は「店頭」扱いなので、この板情報が全く見えませんが、証券会社やヘッジファンドのダークサイトでは、これをすべて把握できる仕組みになっている。
このころには、一般大衆投資家も売りからポジションドテンをして、買い上がってきたと思われ、これに売りの踏みが出て、相場はさらに上昇し、152円手前まで伸びたと思われます。
当局は、ここで、「売り」がほぼなくなったことを確認してから「売り介入実施」となった模様です。
市場には、「当局は売りで介入してくる」という噂でもちきりであり、この売りに乗って稼ぎたいという投機筋や一般大衆投資家の心理もありますが、当局としては、「売り介入」で、稼いでもらうのは困るわけです。
そこで、売りポジがなくなった(板情報から売りが消えた)のを確認して、当局は、NYの三菱UFJ銀行か同証券へ指示して売り介入実施。
NYの三菱UFJサイドは、注文のあった枚数を断ることなく淡々とドルを売り円買いを実施し、相場を押し下げた、というのが実態らしい。
このような情報は、証券会社側とのパイプがないと入手できないもの。
個人でFX取引し「店頭」扱いで勝負している個人投資家は「不利」な立場になっています。
一般大衆投資家がテクニカルや相場の慣習から取引しているだけでは、このような場面では勝つのは難しい。
WSJの記者があえて21日金曜日に記事を書いたのは、「ブラックアウト」直前のタイミングで、FRBの誰かと気脈を通じていて、「意に沿う」報道を流した、というところが本音ベースなのかもしれません。あくまでも推測ですが。
WSJはFRBの意に沿った記事をこれまでにもよく書いている紙面。
しかし、謎の情報が流れたということではなく、ベージュブックですでに公表済のものを、WSJの記者がFRB高官に確認し、(裏を取ったということ)記事にしたということではないかと思われます。
この手の情報は、「先に書いたもの勝ち」という風潮があるようです。WSJの後追い記事は出てこなかったと思います。それはそのはず。記事を読まなくても、公開されているベージュブックを読めば、次回FOMCで、どの地区連銀総裁が、どのような内容の発言をするか、ということは確認できます。19日水曜日にすでに出ているベージュブックです。主だった証券会社など金融機関は、これをすぐ読破していると思われます。
このベージュブックの内容を基に次回FOMCの議論が進行していくわけです。
FRBタカ派は、まだ利上げは必要というスタンス。インフレ傾向の減衰が確認出来てから漸減あるいは低減させればよいというスタンスです。
ここまでに出ている経済指標では、物価動向、特に家賃動向や雇用ひっ迫状況は相変わらず高止まりしているようです。
とにかく、インフレの芽を全部潰しに行きたいFRBですから、株式市場の動向のように、経済が不況入りすることもいとわずという考えて取り組んでいますので、インフレ傾向の高止まりは、これからまだ、潰しに行く対象物となるわけです。
30年物住宅ローンが7%を超えてきたといいます。確かに、この状況から、住宅販売が落ちてきたという情報もあります。それでもまだ、高止まりしている項目があるようですから、来週のFOMCではまだ「利上げ0.75%」という幅が採用されるとみている市場関係者は多いようです。
FEDウォッチャーの見方では、「0.5%利上げ」とほぼ半々程度のようです。
物価が高止まりしている項目には「粘着性」があるといいます。この粘着性ゆえに、そう簡単には低減してこないと言われています。これが特に家賃で出てきているようです。大家が、一旦上げた家賃を下げてくるか。これはあまり見かけないもののようです。日米ともに、、、。
不況となって賃金が下落してくるようになり、失業者が増加してくるようになれば、、、、、、家賃が下がってくる可能性はありそうですが、、、。不動産バブルの退治は住宅価格の下落で目的を達成しつつあるようですが、家賃の方はなかなか下がって来ないらしい。
欧州では、天然ガス不足が最近叫ばれていましたが、ほぼ充足というレベルまで回復したという情報がある。価格はまだ高止まりしていて、政府の補助が出ている可能性はありますけど。
「ブラックアウト」直前まで出ているFRB関係者の声は、FOMCで議論になるようです。このように出ている声を発言者は180度転換することはできない、というシステムのようです。ですから、「意識」して、自分はこう思う、という声を上げているのがFOMCを取り巻く環境ではないかと思われます。
今週は、まず、26日水曜日高値148.409円を上抜くかどうかをチェックしていくことになりそうです。
27日木曜日の安値は東京タイムで付けていますが、その後の欧米タイムでは、これを更新することなく反発上昇しています。この安値は、24日月曜日安値に対応するもので、ここで、Wボトム形成となった可能性もありそうです。
しかし、もう一度下振れし、145円台後半まで押してトリプル底を形成するかもしれません。
4時間足の20EMA、147.240円を上回った状況で推移できるかチェックになりそうです。少し大きめの循環を考えると、日足の20EMAが現在146.853円付近を通過中です。これを上回っていれば、ドル円は上を目指していく可能性も強まりそうですが、、、。
今週の主な経済指標予定
10/31 EUのGDP
11/1 FOMC第1日目、ISM製造業景況指数、
11/2 ADP雇用統計、FOMC政策決定、パウエル議長記者会見
11/3 英国中銀会合、決定発表 ISM非製造業景況指数
11/4 米国雇用統計発表
これら以外にもあります。今週は重要な週になりそうです。相場は大きく上下する可能性はありそうです。
これからの相場では、10月5日安値143.524円を割り込んでくるようになれば「オヤ?」と考え、9月22日安値140.345円を割り込むようになれば、相場の転換を考えるようになると思われます。
11月8日には米国中間選挙結果が出そろいます。これは来週の動きになります。
これらを織り込みながらドル円相場はどこへ向かうのか、これを探る日々になりそうです。
追伸 18時34分です。少し詳細に計算し記載しておきます。
明日以降でマークするポイント
下値では、27日安値の145.102円。ここを割り込んでくると、次なるチェックポイントは、144.772円。これは、9月22日安値と10月21日高値でフィボを考えたときの61.8%押しになるレベル。
今回の下振れの時に、このレベルをまだ割り込んでいませんので、いま一度下振れしてきて、ここを試す可能性はありそう。
そして、ここを割り込んで、10月5日安値143.524円を割り込むようになると、9月22日安値140.345円へ向かうようになると推察。
現在はまだ、上昇トレンドの中にあると思われますが、10月27日安値145.102円や61.8%押しの144.772円割れは、相場の転換を意識させるポイントとなりますから要注意です。
上値では、10月26日高値148.409円を超えてくれば、ひとまずはひと安心。
越えてきた場合は、今度は、10月24日高値149.706円狙いで動いてくるようになると推察。
更にここも上抜いてくると、10月21日高値151.942円チャレンジとなってくると推察。
ここも超えてくるようになると、153円台に乗る可能性も出てきそうだし、さらに、1990年4月高値で、160.360円付近のものがありますから、ここを狙ってくるようになるかもしれません。
151円~153円レベルになると、天井感が強くなり相場は転換する可能性が高まりそう。こうなった場合は、132円~140.00円付近を目指す動きになり、ここも割り込むようだと、8月2日安値の130.389円を狙うような動きが出て、さらに、ここを割り込むと、5月24日安値126.773円を伺うような動きになると思われます。この付近まで下押ししてきて、2021年1月3日安値103.955円と2022年10月21日高値でフィボを考えて、半値押し付近になります。
ここをも通り越して61.8%押しとなると、2022年3月31日安値121.278円付近となってきます。大雑把に考えると、120.0円付近までの下押しが出てくる可能性はありそう、ということになるかもしれません。
FX会社のチャートにより、為替価格は相違する場合があります。その場合は、使用している自身のFX会社のチャートの日付で確認願します。