おはようございます。12月27日水曜日です。昨日から徐々に日中の気温が上昇してきています。少しは過ごしやすくなったように思われます。最近の早朝は日の出前の7時前はまだ薄暗く、早朝散歩で行き交う人の姿もぼんやり。いつも行き交う人と思いますが、むやみに挨拶を交わすことも憚れるような、ということで、その様なときは、声掛けもしないで、スルーしています。相手の方も、こちらがだれかわからないでしょうから。
しかし、愛犬君は素直に反応します。「敵」なら吠えかかるようなしぐさをし、「味方」ならしっぽフリフリで、接近していきます。最近の散歩では、「口わっぱ」をつけていますが、これをしていても、吠えることには事欠きません。「口わっぱ」は拾い食い対策。愛犬君は視力は良く、嗅覚も鋭いものがあります。
井上尚弥、強いですね。昨夜試合があり、10回KOで世界4団体統一王者になりました。これもストレス解消になります。
さて、相場です。昨夜の米国市場では、株式市場は3市場揃って上昇しています。主たる要因は、利回り低下傾向で、株式市場は活況を取り戻しているようです。昨夜は、米国債2年物の入札があったようで、応札は順調、利回りは低下、という流れに。昨日はもともと利回り低下傾向にありましたから、入札で極端に利回りが低下したということではないようです。
SOX指数が史上最高値を更新しているようです。半導体関連株が市場をけん引するかもしれません。
CMEN225も上昇し、33470付近で取引きを終えています。昨日日経平均大引けと比較して、164ポイントも上昇しています。今年末は、「掉尾の一振」が出てくるか。本日の取引では、日経平均は高く寄り付きそうです。
この傾向だと、新年早々からは、株式市場では、利確を含め、売り込みが始まる恐れもありそう。
ドル円は上値の重い展開となっています。先週金曜日を更新できないまま引けています。上へ抜ければ買い方が動き、下へ抜ければ売り方が動くという環境だったと思いますが、そこまでの取引がなく、上下値幅も、0.548円と少なく、低調に推移し、引けています。
本日は12月日銀会合での主な意見が8時50分に公表されます。この結果次第で、ドル円相場は少し動意づくかもしれません。
短期金利市場では、来年6回、1.5%の利下げを織り込みに来ているようです。FOMCサイドから見れば、さすがにこれは「先走り過ぎ」、ということになると思われます。
本日は、ひょっとすると現下の相場を理解するための基本的なことになるかもしれないことを記載したいと思います。
最近、FRBは何時利下げに動くのか、とか、日銀の利上げ開始は何時だとか、というような報道が少し目につきます。これらを考える上で、多分、FRBと日銀には共通の用語があるように思われます。それは「時間軸効果」ということ。
これは今を遡ること25年前に、当時、日銀審議委員だった、現在の日銀総裁の植田さんが考えていたことのようです。
当時はデフレで低金利状態だったと思いますが、利上げをいつ行うかという判断もあり、日銀会合で議論されていたようです。そのような中で、植田さんは低金利状態をより長く維持し、経済界へその恩恵にあずからせたいと思っていたようですが、当時の速水日銀総裁が低金利政策を止めて、利上げを提唱し、会合で利上げが決まった場面がありました。この利上げ後の本邦の景気は再度下落し、デフレから脱却しそうというところまで来ていた景気は、腰折れしています。これが本邦でデフレが長引く要因になったと考えられています。
この時の反省が植田総裁にはあると思われます。
この場面を称して、「殿、ご乱心を」というように植田さんは速水さんを諫めたようで、当時を良く知る方たちは、この言葉を最近よく使用し、耳にするようになっています。
植田理論では、低金利政策を長く維持すればするほど、経済界に対して低金利の恩恵を長く与えるようになり、ひいては時間がかかるけれども、着実に本邦経済が立ち直ることができる、というものでした。継続していれば、事実そのようになるはずでした。
実はこの理論は、経済学者のバーナンキの目に留まり、バーナンキ氏がFRB議長になったとき、この理論に基づいて政策を行っているようです。当時のデータが残っており、その効果が確認できるといいます。
バーナンキ氏と植田氏はハーバード大学で同じ教授に師事した間柄です。植田氏の理論をバーナンキ氏は十分理解し、そして絶賛、このことを彼の著書「21世紀の金融政策」の中で表しているようです。
多分、植田総裁もバーナンキさんの著作「21世紀の金融政策」を読んでいると思われます。「時間軸効果」についての称賛を確認し、これで意を強くし、植田総裁は、現在の低金利政策をもっと長く継続しようと努めている最中だと思われます。そして低金利の期間が長ければ長いほど、経済界はこの恩恵にあずかることができ、景気の回復につながると考えていると思われます。これは米国が景気回復したときのデータがありますから、今は揺らぎのない自信を持って取り組んでいると思われます。
この低金利政策の期間の長さが「時間軸効果」をもたらすと考えられています。
しかし、マスコミが「時間軸効果」について報道することはなく、「日銀は、利上げをいつ始めるか」ということのみに焦点を当てているように思われます。記者会見をはじめとして、報道各社の分析力・追及力の脆弱性が目立ちます。重要なことですが、さらりと植田日銀総裁が語った重要と思われる言葉の意味を追求することもなく、重要な言葉を簡単にスルーしていることは報道の責務を放棄していると言わざるを得ません。責務を果たそうにも、その能力がないのだと思われます。低俗な報道姿勢と考えます。
巷では、日銀は、1月から動くとか、3月だ、4月だと語られていますが、上記のような背景を考えると、植田総裁は、早くても4月までは動かないものと推察してよいように思われます。3月の労使における賃上げ交渉結果を観て、「これで賃金も上昇した」と確信してから、ほかの物価上昇状況を観ながら、利上げに動いてくる可能性があると思われます。植田総裁の頭の中には、もっと長く低金利政策を維持したいと思っているかもしれませんが、CPIなどほかのデータが上昇しており、「賃金の上昇が確認できれば、、」という気持ちもあるように感じます。
それが4月になれば確認できそう、ということかも知れません。
25日の経団連での講演でも、低金利期間を十分長く維持するから、その効果を十分享受して経営に生かしてほしい、利上げは急ぎません、と経営者に向けて語っているように感じます。
これが植田総裁の本心・真意かもしれません。
バーナンキ元FRB議長も、この「時間軸効果」を狙ってFRB議長時代に政策を行った節がありありのようです。
この二人の同窓が意気投合していることは、バーナンキさんの著書「21世紀の金融政策」からも伺えます。
バーナンキさんはFRB議長に就任すると、それまでになかったドットチャートと、フォワードガイダンスを作成公表し始めた方です。当時の米国は、不況で、金融政策を国民や金融界、そして市場に理解してもらうために始めたと思われます、それまでのFRB会合は1日で終り、議長がこうするというと、その様になったといいます。これをバーナンキさんは改めたようです。
日銀では、まだ政策決定過程のオープン化はできていません。審議委員の発言はほぼなく、副総裁の声が少しある程度。ドットチャートもありません。フォワードガイダンスもありません。植田総裁が会合状況のオープン化を図ることができるかどうか、、、。
現在のパウエルFRB議長もこの「時間軸効果」を狙って、急いで金利低下を計ろうとは考えていないように思われます。米国の場合は、高金利政策をもうしばらく継続し、現状良いとされる景気はできるだけ維持し、高めのインフレ傾向を抑えに行こうとしているものと推察できそうです。地区連銀総裁たちが口をそろえて、「利下げを先走るな」と市場へ警告している点の背景には、現在の政策の「時間軸効果」を意識しているのかもしれません。
本日のラジオ日経では、9時から岡崎さんが登場される予定ですが、ひょっとすると、「時間軸効果」について、データを用いながら、種々解説されるかもしれません。本日の番組は、聴取をお勧めしたいと思います。
このラジオの聴取も重要ながら、「時間軸効果」について、岡崎さんがわかりやすく解説しているユーチューブがありますので、ぜひ検索し、視聴してみてください。
【岡崎良介「2024年新春スペシャル 分析・考察」『植田日銀総裁の金融政策モデルを考える』】 です。
本日の健太君の判定は、「買い」は、142.507円超、「売り」は、142.507円以下、「買い」は、142.233円以下の場合となっています。
FPVは、142.366円、R1は、142.647円、S1は、142.099円となっています。
本日のドル円も、「上値は重く、下値も堅い」という状況かもしれません。
取引参加者も少なく、出来高も少ない環境です。仕方ないか、、、。
間もなく東京タイム開始です。本日もよろしくお願いします。合掌
追伸 11時36分です。岡崎さんは、「時間軸効果」に触れませんでした。ユーチューブを是非ご覧ください。
放送の終盤に、イエレン前FRB議長の取り組みが出てきましたので、この付近で触れるかな?などと思いましたが、話の展開はここまでで終わりました。
前場では株式市場は上昇して引けています。ピクセラが現在取引停止になっています。ドル円は、142.847円まで上昇した後、調整し、現在値は、142.506円付近。