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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

ビデオ教材の作成(11回シリーズその5)

2013年04月06日 00時00分01秒 | 緑陰随想

3) 撮影準備
 AV教材作成でもっとも時間と労力を費やす作業に撮影準備がある。ここでいう撮影準備とは、リハーサルのことではなく、シナリオ脱稿から撮影前までの作業を指す。一般にこの段階はさほど表に出ないこともあって、話題にあがることがないのも事実である。しかし、撮影準備は言葉を換えていうならば、縁の下の力とでもいえよう。手際よく業務が進むためには、多くの経験がものをいう。撮影準備は、シナリオを忠実に映像化するための様々な準備が含まれる。準備の中には、外部ロケのように撮影許可から録画、現像、ラッシュ、編集までの一連の作業に相当の日数を要するケースがある。

 そのためにも、設定した撮影期日に間に合うように、資材計画を立案し、準備に落ち度がないようにしなければならない。ロケについて若干補足すると、被写体になる機器は(スタジオ内に持ち運びできるモノは別であるが)、一般に、据え付け型が多いため、ロケによらざるを得ない。ロケは普通、16mmカメラによる撮影が行われる。屋外ロケは、天候に左右されるため、余裕を持って日取りを設定する。

 また、特殊機材の購入にあっては、在庫が無く、メーカーに直接注文しなければならないこともある。取引業者への連絡も忘れてはならないことである。精密機器においては、撮影時の照明による温度変化のために、故障や誤差が生じることも考えられるので、事前に専門家による点検が必要である。

 画面に挿入するテロップカードは原稿を作り、字体、ポイント、配置について正確に業者へ指示する。また、ニュース解説などで解説者が手に持ち、スタンドに立て掛けて見せる写真、グラフ、デザインなどの彩色したフリップカードもテロップカードと同様に原案を作成のうえ、業者に依頼する。テロップやフリップカードは自作できないわけではないが、作成に熟練と時間を要するため、業者に依頼することとした。

 特に、フリップカードの彩色はテレビカメラを通した色とフリップカード自体の色との間に相当な差異があるため、厳密な色彩を希望したい場合には、自作では不適当といえる。業者に発注したテロップ、フリップカードの仕上り時点で、希望どおりの彩色であるかをチェックすることが大切である。

 次に、演出に必要な録画時間の短縮や、学習効果をねらった完成被写体や、作業工程ごとの見本品、及び、失敗例や欠陥などの見本をあらかじめ作成し準備しておく。
 本番中に、作業が失敗しても良いように、予備の被写体も合わせて準備しておく。
 以上の他、この段階で、正式に出演者や出演助手を委嘱する。出演者は当然、指導員か指導員を経験した者で、標準作業ができる者にする。出演者自身の都合もあるので、事前に撮影月日の調整をしておく。委嘱が済めば、シナリオを前もって読んでもらい、シナリオに基づく具体的内容を検討する。また、資材の準備、作業ステップと時間、撮影方法などについて打ち合わせておく。
 
 最後に、撮影準備で見落としがちなこととして、商品名、ロゴマークなどにマスキングをしておく。教材の審査要項の中に「特定の営利企業や商品名などの宣伝、中傷などの内容配慮されていること」の基準があるため、被写体になる商品や商標は注意してマスキングをしておく。撮影当日、スタジオなどの施設を使用するに当たって、施設管理に伴う諸々の手続きもあるが、施設によって、規定などが異なるため、ここでは省略する。その他業者選定に関わる契約行為や予算措置も重要であるが、この点については別稿に譲ることにする。(次回へ続きます)