c.先導機関(lead institutions)
特定の活動分野の専門業務を担当し、APSDEPの行う訓練相談及び調査研究の連携組織を確立する任務を持つ機関で、将来は、これを中心として加盟国の関係機関を結ぶ専門分野ごとのネットワークを作ることが構想されている。主導機関及びこれと連携する専門機関は、各加盟国がしてしたものをAPSDEPが承認するという形で定められている。現在指定されている先導機関は次の4つである。
◇インド、マドラスのAVTI(Advanced Vocational Training Centre)上級職業訓練所、指導員訓練担当
◇インド、バンガロアのFIT(Foremen Training Institute) 職長訓練所、監督者訓練担当
◇マレーシア、クアラルンプールのNITTCB(National Industrial Training and Trade Certification Board)全国産業訓練・技能検定委員会、技能標準の設立、検定及び証明担当
◇フィリピン、マニラのNMYC(National Manpower and Youth Council)全国労働力・青少年問題委員会、訓練教材開発担当
4.APSDEPの内部運営
APSDEPの事業活動などについて審議し、方向付けを与える機関として理事会(Policy and Programme Committee)が置かれている。発足当初は“Technical Committee”と呼ばれていたが、改称された。理事会の構成員は、加盟各国政府代表及びILO理事会のメンバーである使用者及び労働者グループが、それぞれ指名する各4名の労使代表である。理事会は、通常年1回開催され、APSDEPの新しい事業領域について提案したり、活動方針、事業の優先順位を決定し、更にその裏付けとなる予算について勧告し、また、計画の実施及び管理運営の状況を監査し、評価する機能を果たしている。
APSDEPはILO事務局長の責任下にあるわけであるが、ILO事務総長が加盟国の政府と協議して任命する事務局長が統括する。事務局長は、アジアと太平洋地域におけるILOの活動の責任者であるILO事務局次長に対し、その活動を報告することになっている。事務局長の下にフルタイムの専門スタッフが置かれ、情報管理、情報システム、農村地域訓練、訓練教材、技能検定などをそれぞれ担当するアドバイザを置いている。この他、若干名の現地スタッフが、経理、事務、計画作成、情報整理、出版などの業務に当たっている。
次に予算であるが、APSDEPの資金源はいくつかある。最大の拠出先は、ILOの予算及び、技術協力プロジェクトとしてのUNDP並びに、多国間または二国間の資金供与機関である。また、APSDEPは加盟国からの任意の拠出金や物品または役務提供を期待している。事務局長は、毎年、業務計画を作成し、収入見込みと支出を照合して、業務の優先順位を定め、年間業務計画と予算を理事会に提出している。我が国政府も、APSDEPに対して毎年拠出金を提供しており、その額は年間9万米ドルに達している。(次回へ続きます)
特定の活動分野の専門業務を担当し、APSDEPの行う訓練相談及び調査研究の連携組織を確立する任務を持つ機関で、将来は、これを中心として加盟国の関係機関を結ぶ専門分野ごとのネットワークを作ることが構想されている。主導機関及びこれと連携する専門機関は、各加盟国がしてしたものをAPSDEPが承認するという形で定められている。現在指定されている先導機関は次の4つである。
◇インド、マドラスのAVTI(Advanced Vocational Training Centre)上級職業訓練所、指導員訓練担当
◇インド、バンガロアのFIT(Foremen Training Institute) 職長訓練所、監督者訓練担当
◇マレーシア、クアラルンプールのNITTCB(National Industrial Training and Trade Certification Board)全国産業訓練・技能検定委員会、技能標準の設立、検定及び証明担当
◇フィリピン、マニラのNMYC(National Manpower and Youth Council)全国労働力・青少年問題委員会、訓練教材開発担当
4.APSDEPの内部運営
APSDEPの事業活動などについて審議し、方向付けを与える機関として理事会(Policy and Programme Committee)が置かれている。発足当初は“Technical Committee”と呼ばれていたが、改称された。理事会の構成員は、加盟各国政府代表及びILO理事会のメンバーである使用者及び労働者グループが、それぞれ指名する各4名の労使代表である。理事会は、通常年1回開催され、APSDEPの新しい事業領域について提案したり、活動方針、事業の優先順位を決定し、更にその裏付けとなる予算について勧告し、また、計画の実施及び管理運営の状況を監査し、評価する機能を果たしている。
APSDEPはILO事務局長の責任下にあるわけであるが、ILO事務総長が加盟国の政府と協議して任命する事務局長が統括する。事務局長は、アジアと太平洋地域におけるILOの活動の責任者であるILO事務局次長に対し、その活動を報告することになっている。事務局長の下にフルタイムの専門スタッフが置かれ、情報管理、情報システム、農村地域訓練、訓練教材、技能検定などをそれぞれ担当するアドバイザを置いている。この他、若干名の現地スタッフが、経理、事務、計画作成、情報整理、出版などの業務に当たっている。
次に予算であるが、APSDEPの資金源はいくつかある。最大の拠出先は、ILOの予算及び、技術協力プロジェクトとしてのUNDP並びに、多国間または二国間の資金供与機関である。また、APSDEPは加盟国からの任意の拠出金や物品または役務提供を期待している。事務局長は、毎年、業務計画を作成し、収入見込みと支出を照合して、業務の優先順位を定め、年間業務計画と予算を理事会に提出している。我が国政府も、APSDEPに対して毎年拠出金を提供しており、その額は年間9万米ドルに達している。(次回へ続きます)