雄とは別行動で、雌が1羽ブッシュの中で盛んに枯れ草の種を食していました。
最後に、これからビデオ教材を自作する方が注意してほしい二・三の点について気のついたことを述べこの稿を終えたい。
教育・訓練現場にはセンターのような設備や機材が必ずしも無いと思われるので、ビデオを自作するにも、手持ちの機材を有効に利用せざるを得ない。また、ビデオ一本の経費にしても、100万円もかかるような出費は難しい。しかし、教材で表現したい被写体は随所にあるので、如何に少ない経費と労力でそれらを訓練用教材にまとめあげるかにある。そのためには、誰かがリーダーとなって、数人の協力と援助を得て撮影スタッフをくむ。
撮影には、最低限カメラマン、照明、スイッチャー、出演者の4名がいる。撮影後の編集作業にあまり手間がかからないアッセンブル編集をお薦めしたい。アッセンブル編集で撮影を進めるには、前もって、しっかりしたシナリオが必要である。シナリオはカットシーンごとの時間数を記入し、カメラワークの指示も決めておく。カメラは、マニュアル、オート切り替えがあるので、オートの撮影で十分である。ただし、オートの撮影の場合は、カメラの自動絞りが撮影環境に合うため、白の作業服を着て出演者をアップするようなときは、アイリスが高輝度に合うため、周りの画面が極端に暗くなる。
したがって、撮る画像は色彩の濃淡が極度に異なるものは出来るだけ避けるべきであろう。さらに、撮像管保護のため、アーク溶接の溶池や、太陽光に直接カメラを向けることは絶対にしない。しかるべきフィールターレンズを装着してから行う。取り上げる題材は日常の作業の中にあり、そのシナリオ化は教科書や実技教科書を参考にし、あまり多くの要素を入れない。また、4W1Hを考え、それぞれ具体的に展開するフローチャートを準備すると撮影準備や経費などが明確に把握できる。
ある施設では、他科の指導員と交互に撮影を担当し、指導員の実演風景を教材に短くまとめて、自作教材としている例もある。無数にあるテーマを映像化してみるところに、問題点や改善が発見できるので、とにかくカメラを回してみることが先決であろう。教材としての効果を収斂するところに作成の原点を起き、受講者への要望に対する配慮、失敗例やその対応策にも適切な措置が考慮されている自作教材の作成を期待したい。(このシリーズ最終回です)