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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

怠け者の意味(3回シリーズその1)

2013年05月05日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 「働かないアリ、あえて怠け者役 有事に強い組織」との題名の記事が、4月27日付の日本経済新聞朝刊の紙面にあった。ネットユーザーのアクセスランクが1位となっていることに驚くとともに、現在の組織の側面がかい間見えたと感じたのは私ばかりではないであろう。この種の話題提供は過去に新聞等で何度となく登場しているが、今回の記事では対象のアリ組織を観察すると、1割ほどの怠け者のアリがいるとの結果で、たぶん外敵に巣や仲間が襲われ、組織が壊滅的になると、怠け者のアリの出番となるようで、それを持って、怠け者がいる組織が有事に強いとの結論に達している。

 過去の同様な話は、アリや蜂などの世界では、必ず1から3割の遊んでいると思える行動を取る個体がおり、それを真面目に働いている個体と分けた後に、まじめに働いている集団の中に、新たに1~3割の怠け者が出るという話であった。逆説的にいうなら、組織は真面目な人材だけではなく、多様な人材がいるのが良い、釣りバカ日誌の浜ちゃん効果が必要とか、優秀な人材を集めたプロジェクトが必ずしも最高業績にはならないという例外にスポットを当てて、話をおもしろくしているのであろう。さらには、昨今の効率主義・業績至上主義を暗に批判しているともとれる。

 確かに、新規のプロジェクトにおける人材の構成は、優秀な人材を失敗するリスクが大きい事業には心情的に挑戦させないし、傾向として、多くの関係部局が関与する場合に、もっとも優秀で有能な部下を差し出す上司は居ないであろう。過去には外国の支店を開設する場合には、肩書きを与え、国内では使いにくい人材の体の良い左遷手段であったようである。現在、海外勤務している多くのビジネスマンが優秀でないわけではないが、我が国が加工貿易で収益をあげ、世界でのGNP3位の座を得ている状況は、グローバル化した世界経済の中で、対外交渉や貿易業務が評価されてのことである。もちろん、国内の多くの企業が優秀な人材で組織されていることはいうまでもないことである。(次回へ続きます)