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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

スパイスの世界1わさびと生姜(5回シリーズその1)

2013年05月10日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 食生活が欧米化した結果かどうか不明であるが、味覚の変化はスパイスによるところが大きい。日本のスパイスといえば一味や七味唐辛子、わさびに、黄芥子、しょうが(ジンジャー)と相場は決まっているが、この他にもタケノコやウナギにはサンショウ(山椒)、青じそやミョウガ、ネギにニンニク、タマネギ(オニオン)シナモン(桂皮)白・黒こしょう(胡椒)など日常の食事に欠かせない。セロリやパセリ、ローレル(月桂樹の葉)、マスタードやケーパー、バニラなども比較的良く口にしていると思う。中華料理やタイ料理にはスターアニス(八角)や香菜(コリアンダー)、イタリア料理にはオレガノがかかせない。世界にはこの他にも数多くのスパイスがある。スパイスは今や食生活に欠かせないし、名前を知らなくてもカレー粉のように多くのスパイスが混合され食されている場合にはそれを構成しているスパイスの種類を言い当てることは難しい。更にソーセイジに入っているナツメグ(肉づく)などもいわれて初めてそうかと分かる部類であるが、知らずに食しているスパイスも多い。

 そもそもスパイスが食物の腐敗防止から来たことはあまり知られていない。我が国では魚介類、鶏肉、豚肉、牛肉などの肉類、野菜など流通機能が良いため、新鮮なものが食卓に上る。最近は極端な賞味期限やちょっと神経質ともいえる時間で加工食品を廃棄するなど売れ残った食品の管理は徹底されている。食中毒が発生すれば提供した食堂は営業停止となり、食品メーカーは保健所の指導を受ける。場合によっては回収や風評等倒産に繋がることもあり、特に腐敗しやすい時期は相当の神経を使うことになる。冷蔵や冷凍設備も完備されていることで、安全な食材が手にはいる。食材の多さから古くからあまりスパイスに頼らない食生活が出来たことは先人の努力だけではなく、食材をムダにしない食材の加工方法によるところも多い。生で食べたものを焼いて、煮て、塩漬けや、佃煮などの塩による加工や、ひもの(乾物)、発酵食品とする、缶詰にするなどの工夫が行われてきた。(次回へ続きます)