数日前にもお見せしましたが、不思議でしたので再度撮影しました。たぶんヒゲナガトビケラの仲間かもしれません。
次はショウガ(生姜)である。生姜は生姜科に属する多年草でショウブに似た植物である。古くから「はじかみ」と呼ばれていた。日本料理の焼き魚には酢漬けにした新生姜に赤身が付いたはじかみを添える。語源には「端赤味」から来たといわれている。また、刺激的な味で顔をしかめる「恥じらい」からともいわれている。寿司屋ではガリと呼んでいるが、噛んだときにガリッと感じる擬音からか、よく分からない。
英語ではジンジャーといい、ジンジャーエールの飲み物は有名である。食用とするのは地下茎で、南アジアが原産地であり、世界各国でも栽培されている。辛み成分はジンゲロンとショウガオールで、黄色い色素であるクルクミンが含まれる。甘い芳香性の主成分はジンジベロールである。生姜は魚や肉料理の生臭さを消すために用いられる他、漬け物や、菓子などにも使用され、二日酔い防止時に飲む健胃剤にも使われる。最近は健康食品として見直され、女性の冷え性には生姜湯に効き目があるとされ、多飲されている。柴舟といって生姜の砂糖を片面に塗ったせんべいや、臼杵せんべいも同様で、生姜の乾燥スライスを砂糖漬けにしたドライフード、どちらも生姜の香りがする名品である。
生姜の香りが甘、辛どちらの料理にも合い、中華料理にはニンニクと長ネギと生姜のみじん切りをいためることは殆どの料理に使われるベースとなっている。にぎり寿司には必ず甘酢に漬けた生姜があり、直前に食した握りの味を洗い流すというか、舌の感覚を戻すために食するといわれている。ソース焼きそばやたこ焼きには紅色に着色した千切り生姜(紅生姜)が入っていか、付け合わせにでるか、牛丼にはトッピングに用いられている。柴漬けの中身も生姜の千切りが入っているし、生姜は脇役として料理に独特な辛みを加えているスパイスである。豚肉ロースの生姜焼きは、月に1回は口にする定番料理で、大人から子供まで多くの方に愛されている。生姜をベースにした焼き肉のたれは有名で、甘口から辛口までのバリエーションも豊富である。
なぜか暑いさなかに食する素麺や冷や奴、鰺や鰹のたたきにも生姜は欠かせない薬味である。(このシリーズ最終回です)