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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

スパイスの世界2(カルダモン・ミョウガ)(3回シリーズその1)

2013年05月15日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 早い時期から西アジア世界には植物の花、果実、皮などの食料品に入れ、防腐力を高め、食欲の増進を図る東方産の香辛料(スパイス)も知られていた。その中心は、インドと東南アジアの胡椒や肉桂(シナモンとカッシア)、インドネシアのモルッカ諸島の丁香・丁字(グローブ)、肉ずく(ナツメグ)などであった。ムスリム商人は、インド洋からペルシャ湾を経由してこれらの香辛料を輸入し、バクダッドを始めとするイスラム世界の需要に供するとともに地中海を渡ってヨーロッパへ再輸出することにより、大きな利益を上げた。

 インド洋から紅海を経てエジプトへ運ばれた香辛料は、アレキサンドリアでヨーロッパ商人に売り渡された。特に胡椒と香料の商人と呼ばれたカーリミー商人は東方からの香辛料の輸入を独占して莫大な利益を上げ、政府に貸付金を提供するばかりでなく、モスクやマドラサ(学校)を建設して社会的にも重要な役割を演じた。(イスラム辞典から引用)

 何故に引用したかといえば、香辛料の貿易がイスラム商人を産んだかを知りたかったからである。エジプトへ技術協力で派遣されていたときに、カイロの市場には、香辛料を商いする商店が多くあり、現地の人に理由を聞くと香辛料が古くから貿易の主流を占めていたことを知らされた。コロンブスのアメリカ大陸の発見や、マゼランの世界一周航海路発見などの偉業はスパイスを求めるための冒険の結果なのである。これらの偉業が植民地を形成し、ヨーロッパが海洋国家として世界戦略に繋がる発端になったことや、中東がヨーロッパと東アジアを結ぶ中継地として繁栄したことなどにスパイスが関わっていることが分かった。香辛料との係わりについて古人の行動に想いを馳せると、興味が尽きない。筆者なりに少しずつ紐解いてみようと思う。(次回へ続きます)