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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

スパイスの世界4バジル・オレガノ(3回シリーズその3)

2013年05月23日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 油の酸化は油焼けといわれているが、これは空気中の酸素と油の不飽和脂肪酸とが結合して飽和の脂肪酸へ変化するためで、これを遅らせることにより、酸化を防止するためにスパイスの持つ成分が品質を保持するためと考えられている。酸化した油の状態は徐々に粘度が上昇し、始めはべたべた状態、それからゼリー状になり、いずれは固化する。

 スパイスにこの腐敗防止作用と酸化防止作用があることが古くから、薄々、経験的に分かっていたため、食物の保存に利用してきたのではないかと推測される。

 現在では、この問題をさほど深刻視されていないが、それには真空処理、瓶詰め、缶詰、塩蔵、薫製、干物やフリーズドライ製法等による乾物化、醗酵処理、流通機構の改善、冷蔵・冷凍設備や、抗酸化剤(酸素吸着剤や合成抗酸化剤等)のおかげで、食物の賞味期間を長く保つことが出来ているからである。

 冷蔵や冷凍保存は食物にとってどのような機能かといえば、温度は高いと、食物を構成する分子レベルで物質が活性化し、酸素と結合しやすくなる。つまり酸化が進み、温度が低ければ酸化が押さえられるから食物の保存が長くなるためである。

 現在でも米櫃(こめびつ)には唐辛子を入れて防虫作用をさせる、空気と遮断するためにポリエチレンフィルムやパックを使う。等食物の鮮度や使用状況に応じての工夫がされており、人間が地球上で動植物を食して生存している限り続く、永遠とも言える課題で、決して腐敗や酸化防止の問題が解消し、消滅したわけではない。(このシリーズ最終回です)