加齢や過剰な運動によって関節の軟骨部分がすり減り、潤滑油が足りないからと勝手に思い、油ぎれの機械に油を差すように、コラーゲンのような軟骨成分を注射器で注入すれば可能性がないとは言えないが、通常は異質な成分として認知され、拒絶反応を伴い、処置前に比べ、逆に症状を悪化させる場合もある。安易に行うことはまことに無謀であり、大変危険である。効果的といわれる健康食品を服用しても患部へ効果的に成分が移動し、軟骨部分が再生し、潤滑油が元通りの量に戻り、治癒することはない。薬事法に引っかからない宣伝で、効果が立証できないインチキ商品を販売している現状を見逃す訳にはいかない。関係する当局の善処が望まれるところである。
健康食品と医薬品との明確な区別はどこにあるのか、香辛料を多く摂取することによっては、体調を崩すことはないのであろうか、曖昧な部分があっても、無知の引き起こす、潜んでいる危険性に気がつかない人が多いことに驚く。
古代エジプトではピラミッド建設のために多くの奴隷が使役され、彼らの疲労回復や食欲増進にガーリックは欠かせなかったようだ。最近の研究では奴隷ではなく公共工事で10万人以上の雇用対策であったとのことであるが、砂塵と気温40度を超える砂漠地帯での労働は過酷であったに違いない。ナイル川に沿っての緑地帯や、下流域にあるデルタ地帯は、ナイル川がもたらす洪水で肥沃な大地が形成されており、多くの野菜が作られている。たぶんガーリックの栽培も行われていたのであろう。
ガーリックは、辛み付けや肉類特有の臭みを消す効果があり、成分は抗菌作用を持つアリシンである。アリシンはニンニク臭の元である。ビタミンB1の効果を高め、糖質を分解する。タンパク質と合うと分解するため吸収が良くなる。アリナミンという栄養剤があるが成分にアリシンを含むため、摂取すると若干ニンニク臭がする。(次回へ続きます)