【唐辛子】英語ではレッドペパー、原産地はメキシコである。和名は唐辛子、一味・七味唐辛子、鷹の爪、南蛮、こしょうとして我が国の食卓にも多用される香辛料の最たる位置にあるのではないだろうか。干した唐辛子は鮮やかな赤色をしており、もちろん生の緑色をしているものを料理に使うこともある。刺激性の香りと、強烈な辛みがある。殆どは乾燥した唐辛子の種子(さやと種)であり、さやは細分化によって千切りから、輪切り、粉状まで様々である。
辛さは種類によって激辛、大辛、中辛、普通等好みによって使い分けられる。少量で、食欲増進の効果がある。暑い国で多用される意味では、暑さによる食欲の減退を防ぎ、米びつにも入れるように、除虫・抗菌作用もあるようだ。
唐辛子はなす科の一年草で、シシトウ、ピーマン、パプリカ、チリペッパーなどと同じ仲間である。
使用され始めたのは、太古の時代からで、ヨーロッパへはコロンブスのアメリカ大陸発見後、スペインのメキシコ遠征隊がメキシコから初めて持ち帰った。マゼランの世界一周探検隊がフィリピンに立ち寄ったときにフィリピンに伝えられて、中国に渡り、唐から我が国に伝わったといわれている。
唐辛子は一般的な調味料として用いられる他、カレー粉、ペパーソース、タバスコ、ウスターソースとして、また、豆板醤やゆず・かぼす胡椒などに使われる。料理には焼き肉料理、麻婆豆腐、エビチリ、各種の四川料理、キムチやザーサイ、メキシコ料理のタコスなど大変幅広く使われている。
辛みの主成分はご存じの方も多いカプサイシンである。ビタミンA、ビタミンCが豊富に含まれている。カプサイシン単体の発ガン性はないが、唐辛子を過剰摂取すると胃ガンなどを発症する確率が高まる。この原因はカプサイシンと他の物質を同時に摂取すると、発ガンを促進するといわれている。(次回へ続きます)