【ペパー】こしょう(胡椒)は漢字からすると外国のものということで、英語のPeperのPepは活力または元気さという意味があるので、たぶんこのPepが原語かもしれない。
原産地は東インド。古くは中国の漢方薬にも名を連ねている。ローマ・ギリシャ時代には大変な貴重品で、金と同価格で取引されたとの記録がある。どこの家庭でも台所や食卓に一瓶はあるほどのポピュラーな香辛料である。つる性の灌木の実からできる。調味料あるいは薬として用いられる。
こしょうにはブラックペパーとホワイトペッパーがあるが、ペパーの実が熟さないうちに収穫して乾燥させたものがブラックペパー(黒胡椒)で、ピリッとした辛みが特徴である。完熟した実を麻袋に詰め、水に浸して腐らせた外皮を取り除いて挽いたもので、乾燥させたものがホワイトペパー(白胡椒)である。ブラックペパーよりは辛みが弱い。どちらもマイルドな芳香がある。
胡椒は刺激性の香りが唾液の分泌を促進させ、胃液や消化液の分泌を活発化させるため、胃や腸の動き(蠕動運動)を高める。西洋料理の肉料理にはブラックペパーを、中国料理にはホワイトペパーが好まれるようだが、原則は肉料理、スープやサラダ、炒め物や焼きそば等、黒い色が目立たない料理にはブラックペパーを、クリームシチューやマッシュポテト、白身魚のムニエルなど白い色をベースとする料理にはホワイトペッパーを使う。
最近は食卓にブラックペパーの粒をハンディなミルに入れて、食前に好みに応じミルで挽くことによって、より自然に近い挽き立ての辛さと香りを楽しむようになった。(次回へ続きます)