鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

スパイスの世界9クローブ(丁子)(2回シリーズその2)

2013年06月02日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 古代から香辛料が貿易の主流であり、大航海時代を産んだ裏には、唯単に、食物の腐敗防止や矯臭を目的とした香辛料の利用ばかりでないことは薄々感じている方も多いはずだ。

 特にサフラン、カルダモン、ガーリック、ナツメグやクローブ等がもてはやされ、黄金と引き替えに高値取引されており、アラブ人の商魂のたくましさを背景として、媚薬といわれていた香辛料の原産国をかたくなに秘密とした意図があったのであろう。

 現在でもアロマセラピーといわれる芳香性豊かなアロマオイル(精油)を全身に塗ってマッサージする美容術は、リゾート地では大人気である。
 香料の成分である精油が揮発すると鼻で感知され、鼻孔を経由して脳に嗅覚刺激として伝達される。脳における嗅覚を司る部位は、脳の中でも心拍や呼吸運動などを司る旧皮質に存在する。脳が、嗅覚刺激を受け取ると無意識のうちに情動(本能的な食欲や性欲等の欲求の感情)を引き起こす。脳内にアルファ波やエンドルフィンなどの物質が大量に分泌され、その結果、癒され、リラックスするのである。

 確かなことはいえないが、想像するに、古い時代においては、太陽が沈むと、明るさが消え、暗くて長い夜を過ごすためには、媚薬と呼ばれた香辛料や香料は生活の必需品であったはずである。その意味では香辛料が持つ目的(機能)の一つに、癒しまたは情動作用を入れても良いようである。(このシリーズ最終回です)