コサギの目の縁はうす水色、アイシャドーを塗ったようですが、まさしくこれも自然の色、白い肌にうす水色は合うのですね!
(2)日光
そこから日光に向かう。雨はいよいよ本降りになってきた。途中のサービスエリアで蕎麦を食って、日光に着いたのは12時半であった。日光は中学校の卒業旅行以来である。雨の中、輪王寺、東照宮、二荒山神社をめぐる。東照宮(日光市山内2301、0288-54-0560)はやたらと金箔が眼についた。見ざる、言わざる、聞かざるも、鳴き龍も見た。杉も大きく立派だった。途中から雨が本格化して、かなり強い雨になったが、小学生たちも沢山見物に来ていた。駐車場への帰り道M君が石段ですべって脚のひざを打って心配する。
「おくのほそ道」によると、日光で芭蕉と曽良は、
あらたうと青葉若葉の日の光 芭蕉
暫時(しばらく)は瀧に籠るや夏(げ)の初
剃捨て黒髪山に衣更 曽良
と詠んでいるが、今日のこの雨では裏見の滝は行けないし、黒髪山(男体山)も見えない。
そんな訳で、一路、大田原の宿泊先に向かう。大田原まではほぼ2時間を要した。日本のどこにでもありそうな田園地帯である。家もまばらで田舎に来た感じがする。われわれ3人とも歴史や俳句に深い教養があるわけではない。いわば思いつきで芭蕉たちの歩いた道を追体験しているのだが、こんなことでもなければ大田原や黒羽に一生来ることは無いだろう。
今日の宿泊先は大田原城跡(龍城公園)に隣接したホテル龍城苑(大田原市中田原593-3、0287-24-2525)である。3人1部屋である。早速、大風呂に入る。我々3人だけしかおらず、露天風呂も気持ちがいい。湯は単純アルカリ温泉で肌がつるりとする透明ないい湯である。ホテルは蛇尾川(さびがわ)沿いに建っていて、ホトトギスはじめ鳥たちの鳴き声が良く聞こえる。仲居さんに大田原の名所や特産品を聞いたが、とくにこれといった物がないという。
夕食時に大田原の酒を飲む。一つは渡辺酒造の「大吟醸 旭興」と、もう一つは天鷹酒造の「純米大吟醸 天鷹 心」である。酒を選ぶのはいつもA君である。どちらも比較的さらりとして、飲みやすい。どちらかというと天鷹の方が美味かったが、欲を言えばもうすこし味にふくらみがあっても良い。芭蕉は好んで酒を飲んだのだろうか。(次回へ続きます)