【パプリカ】着色に適したスパイスの代表格であるパプリカは、甘唐辛子ともいうが、最近のスーパーマーケットでもピーマンよりちょっと大振りで光沢のある赤、橙、黄色をした野菜を見つけることが出来る。英語ではベルペッパー。形からするとベルのようである。
主産地はスペインとハンガリーである。赤いシチューであるハンガリアングラーシュは有名である。国内でも生産されているが米国カリフォルニア産の輸入品が多い。香りや辛みは弱く、生を薄くスライスしてサラダ料理や、彩りとしてどのような料理にも使える。
外国料理の紹介番組で、果肉の部分を直火であぶり、焦げた表面を取り除いてステーキ風に調理したものを見たことがある。たぶん大きめのパプリカをそのように調理すると甘みがあり、肉厚なので食べ応えがあると思う。香辛料としては乾燥して粉末にしたものを利用する。白色系の料理にはアクセントに使える。
なす科の多年草、トウガラシ属で、唐辛子、シシトウ、ピーマンと親戚である。カプサイシンの辛みを突然変異で含まない種である。ビタミンCが豊富で加熱によっても壊れない。
色づけに利用されるスパイスは、パプリカの他に黄色ではターメリックやマスタード、サフランは黄金色、等植物が持つ天然の色素が調理にも使われる。植物が持つ色素は食用ばかりではなく、化粧品、草木染めの原料として多くの種類があるが、合成の着色剤とは異なる安全性が特徴で、色合いは優雅で美しい。
サフランライス、パエリアなどピラフの色合いは、食欲を誘う。カレーといえば黄色。黄色はターメリックの色合いで、ブレンドされたカレー粉の色合いがなければ食欲がわかない。(次回へ続きます)