鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

3G散歩(2)日光、黒羽、那須 その1(5回シリーズ)

2013年06月14日 00時00分01秒 | 旅行

 5月30日、木曜日。9時前に小田急線の向ヶ丘遊園駅に集合して、一路、栃木に向かう。いよいよ「おくのほそ道」の旅がはじまるが、今年は例年より10日ばかり梅雨入りが早く、ちょうど今日梅雨入り宣言が出されたばかりで、あいにくの天気である。M君の車で快調に飛ばして、東北道の栃木IC10時50分、そこから高速を降りて大神神社に向かう。途中で麦が実っている畑を見た。麦秋である。

(1)室の八島
   行く春や鳥啼き魚の目は涙
と芭蕉たちの辿ったとおり、深川から千住まで船で出て、草加、春日部、小山を経てこの大神神社(おおみわじんじゃ)に着くのも良いのだが、この間は大して見る物もない。そんな訳で、現代人の我々としては、途中をはしょっていきなり室の八島(大神神社)からスタートしたのである。

 大神神社(栃木市惣社町477,0282―27―6126)は奈良県桜井市の大神神社(大三輪神社)の分霊を祀る神社で、従って、倭大物主櫛玉命(やまとのおおものぬしのくしみかたまのみこと)が主祭神になっている。雨がぼそぼそ降る中、杉木立に囲まれた神社はさびれた感じがするが格式がある。ここは下野の惣社として知られていた所で、室の八島として知られていたこの地に、崇神天皇48年(BC49年)に豊城入彦命が東国平定のために来た折、勧請したとされている。その後、平将門の乱、戦国時代の北条氏直による焼失を経て衰退していたのを徳川家光の援助で再建されたという。

 境内には池があり、池に8つの島があって木花咲耶姫命ほか7神が小さな祠に祀られている。その八島の前には、曽良が「俳諧書留」に記した芭蕉の句の句碑が建っている。
   いと遊に結びつきたるけふりかな
室の八島は、木花咲耶姫が一夜でニニギノ命の子を宿したと言うので、身の潔白を証明するため四方を塗り込めた室に火を放った中で三柱の命を産んだ、ということに由来し、煙と関係が深い。いと遊とは陽炎(かげろう)のことである。(次回へ続きます)