前回に引き続き、繁殖行為です。
清涼感はスーとする感じであるが、強すぎると痛みを感じる。たぶん熱さや冷たさを感じる味蕾(みらい:舌に点在する食感の感覚器官))の感じ方で変わると思うのであるが、感覚器官を通じて伝達された香りや味の物質は、強すぎると感覚器官が麻痺を起こすため、冷たさも強すぎると痛さに変わるのであろう。ミントはこの冷たさを増幅する物質と思える。
主成分であるメントールは結晶化するため、常温で昇華する。昇華とは液体を経ないで固体から気体へ変わる性質のことで、常温で結晶を放置すると、蒸発と同じように周りから熱を奪うため、打ち水効果と同様に周辺の温度を下げる。消炎スプレーに利用される所以である。
忘れてならないのはたばこへの利用である。メンソールたばこ、ハッカたばことして多種類のメーカーが作っており、女性の喫煙者の人気も高い。父親が喫煙家であったが、時にはハッカパイプを使っていたことを思い出す。ハッカパイプは、ハッカの結晶の粒を綿にくるみ、パイプの吸い口に収めるタイプの喫煙具である。喫煙をやめたい者がたばこの代用として使うこともあった。
日本産のハッカは主として北海道で生産されている。ハッカの精油を瓶に詰め、ゆり油といった商品名であったと思うが、虫歯が痛むときなどに利用した経験がある。
ミントが香辛料にはいるのも、ミントが持つ抗菌性と清涼感を極めているからの特徴である。 味覚の種類にスーとする感じがあるのは意外であったが、味覚に含まれているのはいわれてみればよく分かる。(このシリーズ最終回です)