鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

竹の子

2014年04月10日 00時00分01秒 | グルメ

  春は山菜がおいしい時期である。竹の子の初物がスーパーマーケットの野菜売り場で見かけるようになった。初物は走りとも言うが、初物食いはあまり歓迎された表現ではない。

 初物を食べることや人のことは、何でも新しい物事に飛びつくことや人を指す場合もあるからだ。やはり、粋な言い方をすれば、季節の食物の出盛りで、一番味がよい時期、「旬のもの」を食するのがよいと思う。旬は最適の意味で、魚で言えば脂がのっていると言うことであろう。

  初物の竹の子を食する機会があった。女房が実家に帰りその土産である。皮をむいた大きさは20センチメートルには届かないが、米ぬかと一緒に焚いてアク抜きをし、冷水に曝すと新芽という色合いに仕上がる。初物は薄切りにして刺身にしてもおいしい。早速混ぜご飯を作った。

  炊き込みご飯との違いは、具となる銀杏切りにした竹の子と生椎茸、あぶら揚げを別に味付けして、炊飯したご飯に最後に混ぜ合わせる。好みの味付けに仕上がるため、我が家では炊き込みよりも一手間かかるが混ぜご飯にしている。竹の子の色合いを保つには薄口醤油を使う。炊飯にも少量入れ、だし昆布と一緒に焚く。出来上がった熱々のご飯には彩り用に山椒の若芽を添えるが、この時期まだ芽が出ていないため、今回は省略した。竹の子の初物はちょっとえぐさが残るぐらいがよい。

  えぐさはアクの味で、渋さとも違う。春の食膳を彩る野草は、ウド、ワラビ、ゼンマイ、蕗、竹の子等アクを持った植物が多い。アクを嫌う食通の人も多いが、自分はこのえぐさが好きである。アクは水に浸した灰の上澄みのことでもあり、植物に含まれるアクと区別しているが、アク抜きするのに灰を使うのでアクをアクで抜くとは話し言葉として良く意味が通じると思う。アクが強いという言い方をして、他人にはやや抵抗がある個性のことを言う場合もある。

  竹の子を採る時期はイノシシの食害に遭う時期でもあり、竹藪にイノシシが入り、人が掘る前の竹の子を食べるそうである。土から顔を出さない竹の子を野生の嗅覚で見つけるようで、イノシシとの分捕り合戦が続く話を聞いた。イノシシの牙は鞘の中に入っている刀と同じで、駆除のための猟犬がイノシシの牙で腹を切られる被害があるようだ。人家には入ることはないが、過疎化した地域は野生の動物が出没し、竹林も被害に遭うので、山菜取りも注意するに越したことはない。