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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

専門性考察(2回シリーズその1)

2014年04月17日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 生物科学の分野の最先端を行く再生医療での不祥事が露呈され、研究者の技量が問題化している。研究論文の捏造、証拠写真の改ざん、他者の研究論文からの引用等が発覚し、当該論文そのものを取り下げる事態まで発展している。この問題の収拾には再調査や再研究等によって真実を明らかにしていかなければならず、時間が掛かりそうである。

  研究成果の発表から現在に至るまでの流れの中で、専門家といわれる研究者と未熟な研究者という若手の人物像との間に、世間の評価や受け取り方の違いがあるようで、違和感を覚えた。研究機関は公的な組織で、次世代を担う高度な研究組織である。多くの研究員を抱え、過去の研究成果についても多くの実績を持つ。今回の騒動で研究体制やチェック機能を変える動きが出ているが、研究には、多くの時間とリスクを伴うことも事実である。成果を出すというノルマと投入した人材や運営費用等に見合うことを強要しすぎると、別の表現では、投資効率を高めれば高めるほど成果が杜撰となり、リスクを高めることに繋がる。

  研究のイロハについてはここで述べるつもりはないが、研究現場の自由な発想を大切にし、研究者相互の意思疎通を図る必要がある。以前ブログで研究組織は文鎮形と述べた。

 トップは対外的には長としての役割があるが、組織内では一研究者として振る舞うべきで、事務方が作るトップダウンの組織ではないのである。その意味では、縦割り組織には研究活動は不向きで、研究者の上下関係はゆるいものでなければならない。個人の創造性は十分に担保され、発想は自由であり、共同研究は大いに活用すべきと思っている。

  組織研究であれ、個人研究であれ、仕事としての研究活動である以上、一研究論文であっても、組織の成果であるわけで、組織内の対立はあってはならないのであろう。通常論文として投稿する場合には、組織内の許諾が必要である。投稿する前の成果は組織内の規程に沿っていなければならず、一定のチェックが成される。組織内のチェックをクリアされなくて投稿することはあり得ないことである。(次回へ続きます)