結構長時間の水浴びでした。念入りに仕上げていました。
整列をさせ、気を付け、休め、回れ右、右向け右、左向け左、前へ進め、一列縦隊、一列横隊、駆け足前へ進め、番号、礼等の号令を掛けても、号令通りに行動できず、機敏に動けないのである。小学、中学、高校、大学等の学校教育では殆ど教育されていない。と言うよりは体育の授業でさわりを教え、体育祭の集団行動のためのようで、現在では軍隊を思い出させる親も少なくなり、親が子供に教える機会がなくなったのかも知れない。
特に、3年前に発生した東北、北関東をおそった巨大地震と津波は大きな被害をもたらした。工場や学校など人が集まるところでの被害は、突然の災害に避難の限界が表面化し、想定外という言葉まで産んだ。おそらく多くの施設で、防災訓練は実施されていたであろうが、多くの尊い人命を奪う結果となった。自然災害とは言え、その後の復旧は漸く緒についたところであり、元通りの生活を送れるまでになるには膨大な時間と費用がかかることになる。
突然の災害に身を置くと殆どの人はパニックになってしまう。冷静な判断が出来なくなり、二次災害となる人災が発生する。映画館や劇場などで火災が発生した場合を思い浮かべれば判ると思うが、誰かが、号令を掛け避難を整然と行うことは殆ど期待できなくなってしまっている。
号令調整でどこまで実施し、人命を守ることが出来るかの予測は困難であるが、災害に遭遇することは少ないとはいえ、自然災害が全くなくなることはない。そのときにとっさに行動が取れ、避難することが出来るのか、集団をどのように守り、行動させるかという命題は脳裏から消えることはない。(このシリーズ最終回です)