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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

専門性考察(2回シリーズその2)

2014年04月18日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 さて、専門性についてであるが、職務として専門分野について経験や、蓄積がある方を専門家といっているが、必ずしも定義があるわけではなく、自称で使う場合もある。研究員という役職がはっきりしていれば、対外的にその名称が使えるが、名刺にも特に組織から与えられるもの以外に何種かの名刺を持つ人もいる。

 専門分野についても境界線が明確ではなく、技術士や博士号などの国家資格が幅をきかせることもあり、受け取る側との暗黙の了解事項でもある。学歴など、履歴書事項と異なる記述をすることは虚偽記載にあたるため、そのようなことは行わないが、専門家とそうでないものとの違いは自ずと分かるものである。

 人間性は大事な要素で、専門バカでは世の中は渡れない。一芸は百芸に通じるとも言われ、卓越した技量は、何も一つがよいからではない。そこに至るまでの蓄積がなければ到達できないもので、決してピラミッドのように突出しているのではなく、逆ピラミッドと思っても良いであろう。経験したことは量としても質であっても膨らんで、増大していくものである。専門家であればあるほど多くの分野に精通し、それが組み合わさり、深まっていくもので、決して針状の一本線ではない。

 東工大の成瀬教授は職業訓練の分野に多大な貢献をされた方であり、職業訓練大学校の初代学長をされていた。この方が示した技術・技能・知識のモデルはこれらの要素が螺旋状に発展すると述べられている。自分は僭越ではあるが、この支柱となるのが人間性であると思っている。(このシリーズ最終回です)