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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

屁理屈

2014年12月08日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 自己の立場を弁護することや、相手を納得させるために言うこじつけとしか思われない理由付けのことである。屁理屈を捏ねるなどという使い方をするが、この世の中に屁理屈がまかり通るのは、どうもいただけない。自己の弁護は、不祥事を犯した理由を尋ねられると、本音・真実が隠れ、建前の世界が幅をきかす。単純な理由であっても、複雑な過程を経て、もっともらしき言葉を探す。

 相手を納得させる場合にも屁理屈が出るが、結果から原因をどのように導き出すか、当座は納得できても、時間が経つとどうも変だと気づく。逆の場合もある。風が吹けば桶屋が儲かる式である。子供の頃に落語だったと思うが、もっともらしいこじつけが、なるほどと感心したものである。

 詳細については忘れてしまったが、話の運びは、風が吹く→砂埃が舞って、目に入り、目病み女が増える→目病み女が増えれば仕事が出来なくなり、流しや義太夫など三味線弾きで生活の足しにする→三味線が売れるようになると三味線に使われている猫の皮が足りなくなる→猫の餌となるネズミが増える→ネズミが増えれば→風呂桶をかじるようになり→桶屋が儲かる、つまり、風が吹けば桶屋が儲かる結論に達する。

 理屈の立て方が世情を語っていて、始めて聞く者にとっては、個々には納得が出来る。現代社会においても、同様なことが起こりえるが、最近、中国から我が国に飛来する浮遊粉塵が問題となり、発生源は都市生活の便利さがもたらした超微粒子の窒素酸化物であり、硫黄酸化物といわれていて、人災とのことが報道されている。中国都市部では慢性気管支炎や喘息の防止のためにマスクが飛ぶように売れ、室内で使用する空気清浄機の生産が間に合わないようである。このことは、現代版風が吹けば桶屋が儲かるではなく、空調メーカーが儲かるとなる。

 生活の向上は環境破壊下では笑い事では済まされない。風が吹くことによって、滞留した粉塵は吹き飛ばされ、一時的には空気が澄んでくるが、風が止めば基の状態へ戻り、次第に身体を蝕むことになる。原因となる浮遊粉塵の発生を抑え、発生源を止める工夫をしなければ、地球規模の汚染拡大を防ぐことは難しくなる。発展途上国の言い分は、先進国も十分汚染物質を出してきたではないか、経済発展をするには一度はくぐらなければならない段階であるとの屁理屈を言っていて、経済優先がもたらした弊害とも言われるが、我が国が出来ることは積極的に支援すべきであろう。