桃の木に刺したミカンに飛んできました。
書く用具にこだわるのは、自分ばかりではないであろう。誰しもこだわりがある。プレゼントでいただく、記念として購入する、親の形見等様々であるが、自分でも気に入ったものを使い続ける。職場では2B、0.5mmの替え芯を使うシャープペンシルであった。ボールペンも何種か使っている。万年筆は、数本あり、モンブラン、パーカー、シェーファー、ウオーターマン等である。それぞれ、用いる場面が異なるが、最近はボールペンが主役となった。
役所や銀行の窓口にはお客のためにボールペンが用意されている。自分はボールペンだけはどこへ行く場合には必ず持ち歩く。使い慣れているものがベストで、先端にインキがたまるものはいただけない。すぐに乾かず、書いた文字がこすれて読みづらくなる。指先に着くと石鹸を使っても簡単には落ちない。多数の人が利用するので、さほど気にはしないが、不潔であることには違いないであろう。エチケットとしてボールペンぐらいは自分のものを使いたい。
万年筆を使う場面は葉書や手紙がほとんどである。最近では年賀状の添え書きに使った。万年筆は、ペン先から自動的にインキが出る仕組みで、インクの容量にもよるが、200枚ぐらいの年賀状の添え書きでは補充することもなかった。万年筆は、付けペンから進化したものであるが、インクもカートリッジ式がほとんどで、インク壺を持ち歩くこともない。葉書に万年筆で書くと、雨天の日では雨に当たってインクが滲むこともある。ろうそくの蝋を使って、防水目的で、コーティングしたこともある。
子供のころ、近所のお宮の境内に、万年筆工場が火災になり、泥に埋まった万年筆を売る露天商がいた。丁度、小学校の通学路に面していて、物珍しいせいか、小学生が取り巻いていた。まさか小学生を相手の商売ではなかったと思うが、そのような商売があったことが今思い返すと不思議である。
文具売り場ではどこも商品の種類が多く、2000種はあるといわれている。しかし、多くの筆記具の陳列棚と異なり、万年筆は別格のようで、ショーウインドウに鎮座している。未だ、万年筆は、高級品にふさわしいと思う存在感がある。