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鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

2014年12月13日 00時00分01秒 | 紹介

 鏡は光線の反射原理を利用して、姿、形を移してみる道具で、古くは金属製であったが、現在ではガラス製が多い。最近では基盤にプラスチックを用いたものや、真空蒸着によって金属光沢を出した様々なものも鏡としている。鏡は能舞台に使われ、松を描いてあり、鏡板といっている。この他に酒樽の蓋をいい、それを割る鏡開き、お供えの鏡餅等生活に密着したものが多い。

 鑑(かがみ)の文字を使うのは、立派な人物が行う行為を規範とするお手本にも多用される。この言葉の生まれた背景は容易に想像が付く。鏡から来ているのであろう。他人の失敗を他山の石として失敗を戒めることにも通じる。

 古くは金属で出来た、鋳物として制作され、裏面に起伏のある鳥獣などの模様が、表の鏡面で光を受けると、反射して模様が浮かび上がる「魔鏡」がある。磨かれた鏡面だけを見ると通常の鏡であるが、裏側の模様が浮かび上がるのは、裏面の起伏が、鏡面に組織的な歪みによって極僅かな凹凸を作るからといわれている。

 古墳時代に中国から伝来した三角縁神獣鏡は魔鏡であったようである。古代人がその不思議な鏡に何かしらの神秘性を見いだし、卑弥呼が使っていた魔鏡は占いに結びついたと想像できる。宗教における隠れキリシタンが十字架を鋳込むことによって、光を当てるとクルスが浮かび上がり、信仰の対象としたらしい。隠れキリシタンならではの発想に興味が湧く。鏡が信仰の対象となるのは、神道も同様で、天照大神を象徴とした太陽を表し、これも納得できる。

 最近では我が国で作り、ヨハネ・パウロ二世へ献上されたという。機械での磨きは難しいといわれ、職人が手で磨いたようである。3Dプリンターによる試作も実現しつつある。魔鏡はクールジャパンの一品として脚光を浴びることになるかも知れない。

 写真の世界では湖面に映るダイアモンド富士、逆さ富士、水面の波が立っていないときに映し出される風景等の写真は、水面が鏡と同じ反射の原理を生じている。不思議さと意外性がおもしろい。この他ガラスが鏡の役割をしたビル群の中で見いだす鏡面は付近のビルの相似形を映し出す。ビックリハウスで見た凹面鏡や凸面鏡で映し出された世界も写真題材の一つである。鏡が繰り広げる世界は奥が深い。