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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

炭素繊維強化プラスチック

2015年01月21日 00時00分01秒 | 紹介

 最近注目を浴びている材料に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)があげられる。既に製品化した商品も多い。その性質は顕著なものがあり、例えば、重量は鉄の4分の1で、鉄の10倍の強度を持つ。カーボンファイバーといえばご存じの方も多いと思う。この性質を活用すれば、金属に変わる素材として期待されるのは至極当然であろう。トヨタ自動車が開発し、市販した燃料電池車にはこの技術が多用されているという。

 炭素繊維を1000度以上に加熱してアクリル樹脂(ポリアクリロニトリル)等で整形した物であるが、釣り竿やゴルフのシャフトに使われて、軽くて丈夫な特性は承知している。構造はダイヤモンドの結晶に近いとされ、引っ張り力が強く、変形しない。難点をあげるとすれば、まだコストが高い、廃品の処理が容易でないことであろう。再利用の方法が見つかっていないため、自然に戻すことが出来ていない。いずれ混入する樹脂を変えることによって改良されることであろう。

 炭素は導電するため、エジソンが発明されたという電球のフィラメントは日本産の竹繊維を用いたことでも知られているが、電極としての利用は乾電池にも使われてきた。カーボン製の釣り竿には電線に触れないことや雷に遭わないことなどの使用上の注意が記載されている。

 ロケットの噴射口の素材にも活用され、ジェット機の機体に使うことも試みられているという。数日前には、船のプロペラにも利用されているとの記事を見た。海水で腐食する従来の銅製プロペラに代わり使用され始めたという。適度な剛性は海水中でプロペラが回転することによって生じるキャビテーションという減速させる現象を低下させる。キャビテーションの発生で独特な音を生じ、潜水艦の発見が容易であった。炭素繊維強化プラスチック製になると殆ど音を発生しないため、潜水艦の発見が難しくなるようだ。また、腐食せず、軽量なため、今後の幅広い分野への活用が期待されている。

 世界的な需要も伸びていて、年間5万トンであり、2020年には14万トンになると予測されている。既に米国からシェールガスの圧力容器の生産に引き合いが出ており、また、市場全体が成長してきており、台湾や、韓国との競合も生まれている。力を伝達し、速度を変えるギアなどに需要が拡がると多くの装置への利用が進み、しばらくは目が離せない素材である。