薬師池にも持ち込まれた外来生物が居ます。その代表格はザリガニと緑亀でしょう。定期的に調査をしているようで、大きくなった緑亀も大量に在来の小魚を餌にしているのでしょう。ゆっくり泳ぐ姿は優雅ですが。
松茸を始めとするキノコを食する時期となった。スーパーマーケットで販売されているキノコは人口栽培が殆どで、シメジ、ヒラタケ、ナメコ、エリンギ、エノキタケ、マッシュルーム、椎茸等が一般的であり、1年中販売されているので、季節感を感じるまでには行かず、その理由は、人工的に栽培管理が出来るからに他ならない。しかし、研究はされていても未だ人口栽培出来ない松茸は、自然に発生し、それが市場にでるので、季節感を感じるのであろう。採取出来る場所が限られていて、発生本数も減少傾向にあるようだ。
古くから我が国で採れる松茸は赤松林とされていて、適度な間伐を行うことが求められ、広葉樹による混成林では生育が妨げられるようである。最近では北朝鮮からの輸入は制限されているため、北欧産、中国や韓国からも松茸が輸入されているが、ブナや針葉樹に着床した別種であるという。香りが薄いことは、輸入する際に石鎚に着いた土を除去するのに洗浄するからと言われている。人口栽培が出来ないことで、価格が上昇し、庶民には高嶺の花となっている。
まつたけは箱に入り、サワラの葉の上に置かれている。サワラの殺菌作用を利用している。冷凍保存も可能であり、二~三重にラップに包んで、冷凍すると2~3ヶ月の保存が可能であるが、解凍すると水っぽくなるため、焼き松茸には不向きである。香りは松茸オール(桂皮酸メチル)という揮発成分であり、そのままであると香りが飛んでしまう。桂皮酸メチルは松茸の香りがするお吸い物の人口香料に用いられている。香りを逃がさないようにするためには、松茸を適当に切って、酒と醤油で煮て、煮汁毎冷凍する。これを解凍して松茸ご飯の材料にすればよい。
松茸の採取にはコツがあるようで、特定の発生環境を知り尽くした松茸取り名人がいる。なかなかコツが表に出ないのは、発見の仕方が微妙で、菌床を作る子実体であるシロと呼ばれるコロニーに菌糸体が成長する。数メートルの環状に発達するようで、枯れ木、腐葉土等が溜まっている場所は好まないようである。温度と湿度も関係している。キノコ取り名人の言葉を借りると、生育場所を家族であっても決して打ち明けないという慎重振りである。おそらく限りない試行錯誤があって、簡単には発見出来ないのであろう。
誰しも秋の味覚として口に出来ない歯がゆさはあるが、自然に証せない世界があること自体が貴重で、何でも解明し再現出来ると思う人間の奢りを戒めるようであると感じるのは、自分も含め、滅多に口に入らない貧乏人の戯言かも知れない。