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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

市民アカデミー15後期別コース3回目

2015年10月25日 00時00分01秒 | 日記

平成27年10月23日

 映像メディアコースの3回目であり、鈴木肇講師所用のため、代わりにシルクロード研究者で古代楽器復元を手がける劉 宏軍講師が任に当たった。現在は日本に帰化し、麦島文夫と名乗っている。1946年大連生まれであり、日本語は上手であるが、発音や助詞の聞き取りが出来ない場面も多くあり、講師はなれていないようであった。

 

 シルクロードが文化面でも機能した時代には、楽器も同様で、多くは現存している物は中国にはほとんどなく、我が国伝えられた物が現在まで当時の現物となっているようであった。その意味においては、宮中での雅楽や正倉院の御物が研究対象としていると話されていた。中国にはないのは文化大革命がそれらの破壊を行ったためといわれるが、中央アジアの古代遺跡に彫刻や絵画が残っていて、そこから類推して復元に当たったそうである。

 

 我が国にもたらされた物は、貢品(みつぎひん)として天皇や寺院へ寄贈された物であり、東大寺等古くからある寺院にも大切に保管されている。講師の弁を借りれば、シルクロードが舞台となった楽舞は世界文化遺産であり、後世へ残すための努力は大変重要であるとのことであった。今回の講義には、講師が復元された多くの古代楽器を持参されていて、当時の楽譜から曲の復元まで行っている。メロディなども現地での舞踊曲を多数録音されて、聞かせてくれた。

 

 旋律は使っている楽器が、雅楽に利用されている、笙、シチリキ、横笛、琵琶、太鼓等であり、リズムも明るい物から、もの悲しい物、壮大で、威厳に満ちている物等多彩であった。古代楽器のハープ(クゴといっていた)が、古代バビロニアから生まれ、4000年以前であり、壮大な歴史が刻まれている。宗教とのドッキングや、当時の為政者の婚礼や、宴会等で行われていただろう歌舞音曲にこれほどまでの長い歴史があることが分かった貴重な話であった。

 

 雅楽は8世紀に大陸から渡来した音楽である。その源流は古代中国まで遡る。伝来以来、日本固有の神楽等も加わって宮廷を中心に貴族たちの間で行われたが、鎌倉時代以降は華やかさを失い、宮廷内や興福寺、四天王寺等で限られた寺院で命脈を保っている。

 

 世界遺産を巡る旅や、中央アジアに点在する遺跡類を見物する旅行の機会はなかったが、この講義で興味の範囲が広がったようである。