ミサゴは大型の猛禽類です。タカ科で体長は57cm、羽を広げると1mはあります。胸のV字形の羽はよく目立ちます。
平成27年10月16日
前回NHK特集シルクロードの団長で撮影責任者鈴木 肇氏の講義で、今回はその2回目である。「再現、古代キャラバン~シリア砂漠を行く」と題しての講演である。NHK取材班は古代キャラバンを再現して、シリア砂漠を8日間の旅で、経験した苦難の挑戦物語を通してのロマンを語った物であった。最近の話題はシリアのアサド政権と突如登場し、その実態がよくつかめていない過激派組織「イスラム国」の動向である。有志連合ロシアのプーチン大統領はアサド政権を支援しているとのことで、イスラム国に敵対する臨戦態勢にある。そこに米国がシリア政権に反対する反政府勢力に加担していて、米国がアサド政権とは不仲であるため、四つ巴の戦況となり、泥沼化している。
普段はあまりなじみがない中央アジアの各国は古い歴史を持っているものの、多くの遊牧民が暮らす地域でもあり、様々な文化も往来してきた。常に自然の驚異と、民族紛争に明け暮れているように見えるが、その実態は実のところ日本人にとってはよく分からなかった世界でもある。
IS「イスラム国」が宗教上の極端な偶像崇拝から、古代都市パルミラのベール神殿等を破壊したが、シリアや世界各国にとっては歴史上の遺跡破壊がもたらした損失ははなはだ大きいといわざるを得ない。破壊ばかりではなく、遺跡から出土した多くの貴重品が、保管している博物館からの強奪まで及んでいるようである。当時、パルミラにある墓から出土した遺体を包んだ布が中国産のシルクでありフランスの博物館にあるといっていた。古のシルクロードの交易が事実であったことに講師も感動したといっていた。
講師が取材した頃は40年も前のことで、ユーフラテス川沿いにあるドゥラ・ユーロボスからパルミラまでの500kmを隊列を組んで、200頭のらくだとともに砂漠を旅した経験は、現在ではほとんど行われていないため、経験者探しから、了解を得るまでは苦労されたようである。遊牧民ベドゥインとの交渉から始まり、実現するまでのご苦労話は特に印象が残った。そこにはダマスカス在住の故日本人獣医折田ドクターが果たした役割が大きく、国防軍のヘリコプターのチャーターを可能にし、アサド大統領との面会も出来たといっていた。
ラクダでの隊列を目的地まで行くには、水の確保と、取材用のジープのガソリンが必要で、水の在処をしていなければならない。古くからあるローマ軍が設営した井戸である。ガソリンは軍隊の給水車2台をチャーターし、水とガソリンを予備に持っていたようであるが、200頭もいるラクダの水は井戸に頼るしかない。貴重な体験を通じて語る講師の話に今回も引き込まれた。