平成27年10月6日
地域協働講座は6講座あり、今回新たに大学連携で5回予定されている「最先端科学の知られざる自然科学史とエピソード」を受講することにした。この講座は、2011年からシニア活動支援事業の一環として行われている。社会参加と学習成果の地域への還元、すなわち、地域課題の解決に生かすことをねらいとして実施されている。どうもよく理解できないが、そのことはおいて、とりあえず講座を受講してみて考えることにしたい。
この講座の概要をパンフレットから引用する。カーナビは、大航海時代の産物であることを知る人は少ない。本講座では、科学技術の基礎を築いたガリレオの時代を振り返り、日本の科学技術の隠された一面をエピソードで語り、現代社会に不可欠の情報の意味を探り、社会が抱える巨大システムとリスクについて、システム工学の視点から俯瞰するとしている。第1回目は、サイエンスが実学であった時代-ガリレオの業績と時間感覚の導入・彼を夢中にさせた経度測定と懸賞金・天文学と航海術についてであった。
講師は慶応大学大学院システムデザイン・マネージメント研究所顧問 工学博士狼 嘉彰氏である。温厚な人柄で、幅広い分野に造詣が深い方であった。以後4回の講座を担当される。講義の内容をかいつまんで申し上げると、GPSの話から入った。緯度と経度については紀元前からその概念が確立されたが、経度測定は18世紀末を待つことになり、比較的新しい技術といえる。現在のGPSがたどった軌跡についてのエピソードを知ることが出来た。
世界では人工衛星による測位システムが行われているが、主要国では日本だけが米国に遠慮してシステム開発に着手していない。最近、準天頂衛星軌道を利用したGPSを補完するシステムについて考え出されている。
宇宙利用に関しての質問があり、今後の検討課題として、原子力発電で生じた核ゴミを宇宙空間へ持っていくという考えがあり、それには高性能のロケットエンジンの開発が伴うため、実現可能性については未定ということであった。また個人情報等の漏洩問題への対処は、どのような頑丈なシステムを作っても、必ず破られ、安全ということはないとの弁であった。