ダム下のコンクリートの上でオオバンがストレッチをしていました。
組織の目的は定款に書かれているとおり、事業を通じて、目的達成のための活動を行うことになるが、基本的には、人、物、金が関係する。これらの三要素を組み合わせて計画の立案、事業の実施、事業の評価、改善の所謂PDCAサイクルを構築して展開して行く。
このときのベースとなるものが決裁文書で、稟議書や原議書と呼ばれているものである。つまり文書によって事が発議され、内容を組織の関係者が合意されて始めて動き出すことになる。勿論、案件の内容によって、起案する担当者が決まってくる。通常は、業務を担当する職員が起案を行い、上司や関係部局の合意を経て、最高責任者の決裁を受ける。決裁に際しては起案文書の根拠・内容等の説明を起案担当者が行うのが原則である。決裁は多角的な面から検討されて揉まれる訳であるが、この過程は大変重要なことで、組織の合意形成のために欠かすことが出来ない。
決裁順序は案件により若干異なるが、起案担当者がピラミッド組織の現業部門にあたるため、トップダウンではなく、ボトムアップといわれる。関係部局の合意を得るために、合意形成に時間がかかる難点を持つが、決裁が終わると組織全体が関与するため、決裁後の行動は素早く進むことが出来る。決裁は稟議書に予め作成された決裁欄に捺印かサインで行う。ここに至るまでの組織内の動きを加速する意味で、「根回し」が行われることが多い。起案部署の立て列の長は他部局の横列である長への働きかけを行う。その機会は勤務時間内に限らず、あらゆる接触の機会を利用する。
決裁が終わると、決裁番号が与えられ、対外的に決裁月日と発信番号が付けられ発送される。部局長が連名する場合もあるため、関係部局へ複写が送られる。上述したケースは、新規案件の起案の方法を述べたが、ルーチンワークとして行っている事業については、既に仕事に携わった前任者等が起案しているため、重複することがないようにしなければならない。しかし、対象範囲が広がり、内容に変更等があった場合には新たな起案が必要となる。その意味において、記述した、起案文書を過去に遡り閲覧しておくことが新入社員にとっては必要となるのである。
文書の性質によっては部外者への漏洩が問題になることもあり、最近ではパソコンで起案書を作るなどされているため、電子ファイルとして簡単に持ち出すことも出来る。起案案件の取り扱いについては、簡単に開示できないよう十分に注意することが必要となる。
初対面のビジネスマン同士等が交わす挨拶の一環として、自己紹介と共に名刺交換が行われている。我が国では当たり前といえる行為も独自の文化的な面がある。必ずしも世界中で行われているとはいえないが、来日する研修員やビジネスマンがその習慣を体験すると、早速名刺を作り、名刺を利用するところを見ると、役に立つからであろう。我が国からの文化の発信の一つといっても良い。
名刺交換のタイミングや、名刺交換が必要かどうかは、初対面の内容や、状況によって決まってくる。関係者として、今後の付き合いの程度が関係し、一度限りでは名刺交換は行われない。また、役職の上下関係に依存し、自分が差し出しても相手によっては名刺をいただけない場合もあり、請求することもあるが、無理に請求するのもどうかと思う。普通は、こちらが差し出せば相手側も差し出すのが普通である。
頂いた名刺は、直ぐには仕舞わず、目的の商談等が済めば、名刺入れに仕舞う。話の途中で、名刺を手に持ち、弄ぶ人がいるが、良いことではない。名刺は紙切れであっても、人格を持ち、相手自身であるからである。大切にしたい。後日のために、期日を記入しておけば、名刺交換時のことを思い出すことが出来る。名刺整理も仕事の一つで、失礼の無いような取り扱いが求められる。
名刺の整理は、独自の分類を行うが、直ぐに取り出せるように公私に分け、職種毎の分類や、時系列に分けても良い。アイウエオ順は、名前を失念する場合があり、探し出すのに苦労することもある。担当者が代わる事もあり、自分の仕事に応じた整理の仕方をしておきたい。
名刺の記載事項では所属組織、役職、氏名、住所、電話番号等であるが、メールアドレス、携帯電話番号も記載されていないこともあるので、必要ならば聞いておくと良い。殆どの名刺はビジネス上のことなので、自宅の住所や電話番号は記入していない。余程のことがない限り、初対面で、自宅住所や電話番号を聞くことはしない。退職後では若干異なるが、名刺はビジネス上で主に使うツールと考えた方が良いであろう。
名刺の裏側は、白紙が多いが、これからは海外への出張や、外国人相手の仕事も多くなるので、裏側には英文での表記も必要になるであろう。作成時に英文での表記を行っておくと良い。
職場によって、採用条件によって、働く代償として受け取る報酬は、異なっているが、一般的なサラリーマンが受け取る給与は月給制が殆どである。最近は年俸制の所もある。始めて受け取る給与は、嬉しいもので、実家の母親にプレゼントを贈ったことを思い出す。就職戦線を見事通過して、社会人となった新入社員も多くいると思う。始めて貰った給与は29800円であった。
意外と給与や賞与のことについてはよく分からないことが多い。サラリーマンは基本給といわれている金額によって、様々な手当の額が異なってくる。月給制であってもボーナスが多いところで3回支給される。ボーナスを含めて年収となる。ボーナスは夏期手当、期末手当、年度末手当である。月給の3~5ヶ月分が支給される。ある職員が、奥様と半分づつに分けると約束し、夏期手当と年度末手当は奥様へ、期末手当は自分にと分けたが、数年経ち奥方から期末手当が多いのではないかと疑問が投げかけられた。即座にご主人は交換するかと答えたら、奥方は今のままでよいといったそうである。当然12月の期末手当が多かったのであるが。
基本給とは職務手当、住宅手当、家族(扶養)手当、通勤手当、残業手当、都市手当等が含まれる。源泉から引かれているのは所得税、雇用保険料、健康保険料、であるが、場合によっては、財形貯蓄、生命保険、組合費、親睦会費などが源泉徴収される。出張に係わる旅費については、案件が生じた段階で、概算払いが行われ、出張後に精算されるのが普通である。
寒い地域には寒冷地手当が支給される。家族を寒冷地に残して、寒冷地手当が対象とならない地域の職場では寒冷地手当が出ないのが一般的である。自宅との距離数にもよるが、単身手当ては支給される。ちょっと不合理に思えるが、8月頃に支給されたため、冬の燃料費には間に合わずに、自分の燃料費になってしまうことが多い。
財布を誰が持つかは国によって違うのであるが、多くは奥様が家計をコントロールされる世帯が多い。アメリカでは殆どの世帯では亭主が持っているため、今でもウーマンリブの動きが止まらないそうである。我が国では財布を奥方が持っているため、一時あったウーマンリブの動きは治まったかに見える。女性の社会進出で、もはや夫婦別々の財布といった家庭が多くなりつつある。
平成27年4月9日
2015年川崎市民アカデミー前期が開講した。企業連携の10回目となり、7月の2日までの間で10回の講座が予定されていて、座学が7回、現地での工場見学等が3回計画されている。人気があるコースで、募集期間中に定員を満たし、追加募集はなかった。70名強の受講者がいて、高齢者も多い。女性も10名ぐらいおられた。パンフレットの概要を引用すると、「川崎は京浜工業地帯の中核都市として、日本経済を牽引してきました。また、モノづくり企業、先端技術の開発・研究機関を抱える元気な都市です。川崎の企業や人々から学び、明るい未来を展望します。」である。
4月9日は、座学で、講座開始日でもあったため、通常より10分早く13時20分から始まった。終了したのは15時であった。事務局から資料を渡され、出席のチェックを行った。講座認定されているコースもあり、受講者には単位が与えられるが、当該コースは単位が与えられていない。資料代は別途徴収される。今回は受講のしおりとコース日程を配布された。コースの初日の内容は2月の段階で決まっていたが、全コースの日程は今回まで決まっていなかった。相手の都合等が確定できなければ、発表できない。コース内容の日程調整に困難されたことは容易に想像される。
今回の講義テーマは「なぜ川崎モデルは成功したのか?」サブテーマ「中小企業支援にイノベーションを起こした川崎市役所」で、経済労働局長、伊藤和良氏及び経済労働局企画課木村氏からの講義であった。配付された資料は多く、早口での説明がなされたが、川崎の状況が良く理解できた内容であった。ポイントは、川崎市が川崎モデルと称される事業を手がけることによって、地勢を活かし、最大限機能が発揮されるように役所が関与することによって、目的を持って未来への可能性を事業として取り組んでいることであった。
川崎市が公害の街として悪名を轟かせた時期があり、市が公害対策に力点を置いて取り組んだことが成功話として語られた。そのことは、海外への企業移転による空洞化と、空き地利用という発展の礎(いしずえ)を作ることに繋がり、局長の言葉をお示しすると、光と影という言い方をされていた。現在では各地にサイエンスパーク等の研究拠点に成長し、将来に向けての活動が本格的に稼働している。
もう一つの特徴として、大企業が持つ様々な知財を中小企業へ橋渡しをする事業である。簡単にいうと中小企業の支援事業であるが、キャラバン隊と称していたが、コーディネーター、資金団体、大企業、中小企業、役所とがそれぞれのメリットを生かし、産業へと繋げている。木村氏も川崎市側をお節介といっていたが、情報の共有化の大切さを具現化している活動の紹介があった。
人事異動で付き物は挨拶状である。ビジネスライクで考えれば、人事異動の発表は組織全体に対して何らかの通知がされるが、大手や官公庁では新聞紙上にも公表されるため、個人が出す必要はさほど無いのであろう。親しく交際していた上司や同僚にも最近では出さない方も多くなってきている。強いて送るとすれば、パソコン等のメールで、登録した住所に一斉に送るぐらいであろうか。最近では個人情報の保護を強調する余り、その影響はないとはいえないが、世話になった前任地の方にはやはりお送りするのは望ましいと思う。
転勤に伴う多忙な時期なので、直ぐにとはいわないまでも、出来るだけ早いに越したことはない。五月の連休を利用して書く方も多い。転勤が決まると郵便局にも異動先住所を知らせておけば、1年間は転送してくれる。翌年の年賀状も新住所へ届く。ありがたいサービスである。
本来は、転勤前に前職場の関係者には出向いて異動の挨拶を行うのが正式である。それを省略しているのであれば、せめて転勤の挨拶状で代用しておいた方が礼を欠くことはないであろう。お餞別の習慣も亡くなりつつあるが、そのお礼や送別会を開いて頂いた方々へのお礼も挨拶状に書く。業務上のことでは、後任者の引き継ぎ事項で洩れた事柄や、異動を知らない来訪者など接触が継続する場合もあるため、業務に支障が生じないように配慮しておきたい。
パソコンを利用して文章を自作し、印刷して発送する場合もあるが、宛先や宛名まで印刷するのは如何と思うこともあるが、発送枚数が増えると仕方ないのかと思う。年賀状と同じで、自筆で書かれた一行は受け取った側にとって嬉しいものである。早速、住所録に新住所や職場を打ち込み、データを変更する。住所録には日付まで記入しないため、前任地も度重なると判らなくなってしまうが、年賀状が多く戻ってしまうことを考えれば、日付をメモ書きでも印しておこうと思っている。
挨拶状は人と人とを繋ぐツールでもあり、サラリーマンの行っておかなければならない礼儀と考えれば、多忙な時期においても時間を取って優先的に行っておきたい。
農作業等で、作業の目安となった雪形は、雪国では良く話題に上がる現象である。地域によっては農鳥(のうとり)といっている。雪にまつわる多くの言葉があるが、雪形もその一つで、北国では積雪とその年の気候を占うときにも使われている。雪形が早くから現れると、積雪量が少ないことを意味する。地中にしみ込む溶けた雪の量が少ないから、伏流水も少なくなるため、干ばつが心配される。また、積雪が多い年は、雪形が遅くまであると、溶ける期間が長く、水量が多くなり、気温上昇を阻むため、冷害に危惧することになる。
多くは農事暦として古くから使われてきている。雪形は、低地から山に残る残雪を見て、山に囲まれた一帯の露出した岩の形を陽画としてみる場合と、岩肌が多くなり残雪が少なくなる陰画として見る場合とがある。その形によって、動物、人、農機具等の像に見立て、苗作り、田植え、代掻き、豆まき等のおおよその時期を確定している。現在では天気予報の長・中期予報が気象庁から発表されるため、雪形での判定は廃れてきている。
有名な富士山の雪形は豆まき小僧、農鳥、農牛、お犬雪、農男などの形がある。見る場所や地域で同時に見ることが出来るようであるが、この他にも、代馬(白馬岳)、鶴と獅子(鹿島槍ヶ岳)、常念坊(常念岳)、チョウ(蝶ヶ岳)、駒と島田娘(木曽駒ヶ岳)などがある。
自然の造形をそのイメージで自らの仕事に関係づけることが行われて来た。取りかかる作業の目安として使われてきたことに意味があると思う。農業や林業、漁業等自然の変化を利用することは、気候と仕事との関係が、密接にかかわっているからに他ならない。漁業でも、雪雲が発達すると雷を発生させる。ブリ起こしというらしいが、このときにハタハタ漁が行われる。
山背が吹くと翌日は吹雪になる、冷害が発生するといわれたこともあり、自然現象の尺度は興味深い。木材の伐採も、満月の夜に切り倒すと腐りにくい製材となるなど、多くの経験知がある。経験が職業に深く影響していて、中には信じがたいこともあるが、自然との関わりが多かった職業に就く人が少なくなってきているため、伝承されないことが多い。
社会人の一員として、就職という関門を見事通過された新入社員の方々に対し、何らかの参考にと思い、筆を執らせていただいた。サラリーマン生活を終えて、長年経験した事柄の中で、必要である仕事の基本は、一夜にして生まれるのではなく、蓄積されてきたルールとでもいえることがある。
就職後の受け入れ研修が始まっているところも多い。学ぶことは多様で、複雑である。夢と希望を持て、自己実現のもと、組織人であることも大事なことであり、このことが、意識されて初めて、与えられた仕事を遂行できるのである。言葉は悪いが、一人では何もできない。組織の歯車の一つであり、自らの役割が果たせて初めて組織全体が動くのである。そこで共通することは、上司、同僚とのコミニュケーションであり、「ほうれんそう」といわれている報告・連絡・相談であろう。報告は、常時、または定期的に仕事の進捗を報告し、連絡は、業務に関係する、内外の人との意志を共有化する行為で、相談は、上司に対しまたは関係する人との合意形成で、独断を防ぐことである。
社内では組織の一員であるが、対外的には組織を背負っているといえる。この判断は大変難しい。組織を背負うということは、組織の目的に反しない、別の言葉では組織の長の代弁者でもあるが、新入社員にそこまでの対外交渉を含めて、役割を与えることはないが、気持ちの上ではそういうことである。そこで、対外交渉を含め、信条として、組織のルールを知り、組織の目的、活動、組織を構成している人を知ることにつながる。
それらのことを効果的進めるためには、どのようにすればよいかというと、組織にはそれらを文章化した定款、社則、内規等があり、業務に関しては、決裁文書がある。少し大きい組織では、業務方法書や各種マニュアルが準備されている。これらを片端から目を通しておくことをお勧めしたい。何故かというと、何を行うにしても、根拠となるもの(基準ともいえる)に沿って仕事は進められているからである。例えば、上司から根拠となる文書とは異なる解釈や、逸脱していれば、たとえ上司から命令されたとしても、納得いくまで、誠意を持って説明を求めてもよい。
しかし、時代が変わったとはいえ、新たな考えや行動が必要なことも事実であり、悪弊は取り除かなければ、いつまでも旧態依然で、発展の余地もなくなる。長いものには巻かれろとは考えずに、どこまでが組織の進む方向と異なるかの冷静な判断は、たとえ、新人であろうとも、組織の活性化のために、常に必要と思われる。