>そうした「日本社会のしくみ」は、いつの時代に、どうやって形成されたのか。
日本社会のしくみは、昔昔日本語とともに形成されたのでしょうね。
>それは、他の国のしくみとは、どこがどう違うのか。
日本人の思考には、人間序列があって、個人がない。個性は個人の属性であるから、個人・個性が育たない。わが国には個人主義が根付かない。
> (中略)
>つまり、①何を学んだかが重要でない学歴重視、②一つの組織での勤続年数の重視、という二つが、「日本社会のしくみ」を構成する原理の重要な要素と考えられる。
そうですね。序列重視と序列持続の重視でしょうね。単純ですね。だが、没個性の序列は個性の大敵ですね。
>またこうした「日本社会のしくみ」は、現代では、大きな閉塞感を生んでいる。
そうですね。個性を封殺された人間は、硬直性・同質性により大きな閉塞感を感じます。
>女性や外国人に対する閉鎖性、「地方」や非正規雇用との格差などばかりではない。>転職のしにくさ、高度人材獲得の困難、長時間労働のわりに生産性が低いこと、ワークライフバランスの悪さなど、多くの問題が指摘されている。
そうですね。序列社会 (上下社会・縦社会) は、序列原理により閉鎖していますね。個人の個性を封殺している事への祟りとでもいうべきものでしょう。
>しかし、それに対する改革がなんども叫ばれているのに、なかなか変わっていかない。
それは、現在の改革運動が ‘本を正さず末に走る’ 励みからでしょう。
>それはなぜなのか。
日本語の使い方の機序 (mechanism) によるものでしょうね。日本語の階称・言葉遣い (hierarchy) が大きな原因になっています。
>そもそもこういう「社会のしくみ」は、どんな経緯でできあがってきたのか。
日本語の原理に基づく ‘社会の仕組み’ によるものでしょうね。言語は内容を ‘伝える’ 為の道具となるだけでなく、’考える’ 為の道具でもあります。ですから、日本語に焦点を当てて考える考え方が機序の解明に重要なものとなってきます。
司馬遼太郎は、<十六の話>に納められた「なによりも国語」の中で、片言隻句でない文章の重要性を強調しています。
「国語力を養う基本は、いかなる場合でも、『文章にして語れ』ということである。水、といえば水をもってきてもらえるような言語環境 (つまり単語のやりとりだけで意思が通じ合う環境) では、国語力は育たない。 、、、、、、 ながいセンテンスをきっちり言えるようにならなければ、大人になって、ひとの話もきけず、なにをいっているのかもわからず、そのために生涯のつまずきをすることも多い。」
> (中略)
> 慣習とは、人間の行動を規定すると同時に、行動によって形成されるものである。
そうですね。序列作法に従って行動する人間たちは、序列人間となって序列社会を形成しますね。
>(中略)行動の蓄積で定着する。>だがいったん定着してしまうと、日々の行動を規定するようになり、変えるのはむずかしい。>人間の社会は、その社会の構成員に共有された、慣習の束で規定されている。
そうですね。階称ある言語を使用する人間は、序列作法から逸脱することが難しい。それが嫌なら、外人になるか非国民になるかしかない。
> (中略)
>これまで労働史などにおいて、日本の雇用慣行の歴史は数多く研究されてきた。 >しかしその多くは製造業のブルーカラー労働者を対象にしたもので、ホワイトカラーの歴史研究は比較的少数であり、官庁や軍隊の雇用慣行は研究対象になってこなかった。 >官庁や軍隊は経済活動ではなく、したがって労働史や経営史の対象外だったからであろう。
労働史や経営史の研究では、日本社会の閉塞性 (硬直的で同質的) は説明できないでしょうね。
>そのため、日本企業の慣行が官庁や軍隊と似ていることが断片的に指摘されてきたにもかかわらず、それが経済史から探究されることはほとんどなかった。 >また官庁を研究する行政学や行政史は、官庁の慣行が民間にどう影響したかには関心が薄かった。
経済学・経済史、行政学・行政史でも、日本社会の閉塞性は説明できないでしょうね。
>二つの学問体系のはざまで、この点は盲点になっていたのである。
そうですね。心理学のような学問が必要ですね。
>また教育学者や経済学者は、日本の雇用慣行における学歴重視を批判してきた。
教育学でも経済学でも、日本社会の閉塞性は説明できないでしょうね。
>しかし彼らは、日本の雇用慣行における学歴の機能を分析する点において、十分ではなかった。
そうですね。日本社会の閉塞性を説明するためには、文化人類学の観点が必要でしょうね。
>そのため(中略)企業や労働者が学歴を重視したからこそ、職員と現場労働者の平準化がなされたという逆説は注目されてこなかった。
そうですね。日本人の学歴は序列の言い換えにすぎませんね。人間の序列化は没個性の励みの為に欠かすことができません。没個性の雇用慣行が確立して平準化がさらに進行しました。
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