>東洋経済オンライン >「成功には忍耐が必要」と信じる企業家の盲点 うまくいかないことを繰り返していないか? >デレク・シヴァーズの意見・ >4か月・
>残念ながら、あなたのアイデアや商品が、ユーザーから受け入れなかったとしよう。
>その現実を前にして、あなたならどうするだろうか。
>「売れるまで売り続ける」と固執して、忍耐力を発揮しようとしていないだろうか?
>1990年代末にオンラインCDショップ「CDベイビー」を立ち上げて大成功を収めた起業家であり、TED動画「社会運動はどうやって起こすか」のプレゼンターとしても有名になったミュージシャン、デレク・シヴァーズは、それは忍耐力の間違った使い方だと指摘する。
>彼が11日間で一気に書き上げたという著書『エニシング・ユー・ウォント:すぐれたビジネスはシンプルに表せる』から、忍耐力の正しい使い方を紹介しよう。
>「人とは違う方法で何かをしている変わり者」
>CDベイビーを始めて5年後、ビジネスが絶好調だったとき、メディアは僕が音楽ビジネスに革命を起こしたと騒ぎ立てた。
>でも「革命」というのは、成功したときに初めて使われる言葉だ。
>成功するまでは、「人とは違う方法で何かをしている変わり者」と見られるだけ。
>また革命というと、声高に何かを主張したり、拳を振り上げたり、血を流したりするような荒々しいイメージを思い浮かべるかもしれない。
>だけど、たとえば「本物の愛とは、『ロミオとジュリエット』みたいな劇的なものだ」と思っていると、ゆっくりと時間をかけて育まれていくすばらしい人間関係を見落としてしまう。
>同じように「人生の目的は、ある日とつぜん、稲妻に打たれるみたいに降りてくる」と思っていたなら、日々心を惹かれている、自分にとって大切な、小さなことを見落としてしまう。
>「革命は戦争のようなものであるべきだ」と考えていると、ただ誰かにより良いサービスを提供しようとすることの重要性を忘れてしまう。
>すばらしいことをしようとしているときは、革命を起こしているようには感じられないものだ。
>むしろそれは、常識にとらわれずに何かに挑戦している感覚に近い。
>CDベイビーが成功したことで、僕は生まれて初めて、「みんなが本当に欲しがるもの」をつくった。
>そこに至るまでの12年間、僕は様々なプロジェクトを成功させようとがんばり、ありとあらゆるマーケティング手法を試した。
>必死になって人脈をつくり、プレゼンし、売り込みをした。
>風向きが変わるというのは、どんな感じか
>でも、それは常に向かい風を受けているような苦しい戦いだった。
>鍵がかけられた扉や、目の前でバタンと閉められた扉をなんとかこじ開けようとしているような感じだ。
>なんとか前に進めたとしても、そのためには膨大な努力が必要だった。
>でも、それが今は……。
>ワオ! まるで、ヒットソングを書いたみたいだった。
>たとえば、あるソングライターが100曲、曲を書いたとしよう。
>そのなかの1曲がとつぜん、人々の心をつかんでヒットすることがある。
>ヒットの理由は誰にもうまく説明できない。
>その曲がとにかく優れているから、というわけでもない。
>いろんな偶然が重なったり、いくつもの要素が魔法みたいに組み合わさったりして、その曲は大勢の人に愛されるようになるのだ。
>ひとたびヒットが生まれると、それまで閉ざされていた扉が、とつぜん大きく開き始める。
>宣伝をしなくても、口コミでどんどんと良い噂が広がっていく。
>需要を生み出そうとするのではなく、莫大な需要に対処しなければならなくなる。
>では、僕がこの経験から学んだ教訓とは何か?
>世間では、「成功するには忍耐力が重要だ」とよく言われる。でも、僕はその言葉を誤解していた。
>成功はどこから来るのか
>成功とは、改善と発明を繰り返すことによってもたらされる。
>うまくいかないことを繰り返してもたらされるのではない。
>忍耐力は、改善と発明を繰り返すことに費やすべきなのだ。
>僕たちはみんな、たくさんのアイデアや制作物、プロジェクトを抱えている。
>そのどれかを世に出してヒットしなかったとき、そのまま売り込みを続けてはいけない。
そうですね。
<日本はなぜ敗れるのか・敗因21か条> を著した山本七平の指摘する事例からも、大和民族自滅の過程は見て取れます。その一例を以下に掲げます。
私が戦った相手、アメリカ軍は、常に方法を変えてきた。あの手がだめならこれ、この手がだめならあれ、と。 、、、、、あれが日本軍なら、五十万をおくってだめなら百万を送り、百万を送ってだめなら二百万をおくる。そして極限まで来て自滅するとき「やるだけのことはやった、思い残すことはない」と言うのであろう。 、、、、、 これらの言葉の中には「あらゆる方法を探求し、可能な方法論のすべてを試みた」という意味はない。ただある一方法を一方向に、極限まで繰り返し、その繰り返しのための損害の量と、その損害を克服するため投じつづけた量と、それを投ずるために払った犠牲に自己満足し、それで力を出しきったとして自己を正当化しているということだけであろう。(引用終り)
>改良したり、新しいアイデアを生み出したりすることに切り替えよう。
>そして、改良したものや、新しくつくったものを、再び世に問おう。
>「すごい! そう、これだ! こういうのが欲しかったんだ! 喜んで金を払うよ!」
>そんな反応が多いのなら、そのまま前進すべきだ。
>こうした手ごたえが感じられないのなら、それ以上追い求めてはいけない。
>鍵のかかった扉を無理やりこじ開けるような、勝ち目の薄い戦いに貴重な時間を費やすべきではない。
>大きな手ごたえが感じられるまで、改善すること、新しいアイデアを生み出すことを繰り返そう。
そうですね。